研究課題/領域番号 |
21K16442
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
庄田 勝俊 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (70783421)
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研究期間 (年度) |
2024-01-17 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | gastric cancer / 胃癌 / 血小板 |
研究開始時の研究の概要 |
血中に豊富に存在する血小板が、胃癌の更なる進展に関与し周術期の治療成績にも影響を及ぼすとの考えのもと、本研究課題では『胃癌患者の血小板と癌細胞との細胞接着および血小板由来の成長・増殖因子を介した細胞間の情報伝達が存在し、胃癌腹膜播種を含む癌の進展に関与している』との仮説を立てた。その証明のために、血小板と胃癌細胞との細胞間情報伝達分子の同定、詳細な分子機構の解明を行い、病態把握・予測の為の腹水中バイオマーカーの確立を行うとともに、血小板と胃癌細胞との情報伝達抑制方法とその生物学的効果を検証し、新規腹膜播種治療戦略の構築を目指す。
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研究実績の概要 |
近年、癌の進展における癌細胞と周囲微小環境との相互作用の重要性が報告されている。 本研究課題は、血中に豊富に存在する血小板に着眼し、特に周術期における術中出血の観点からも、血小板と癌細胞との接着や、血小板由来因子の癌細胞や周囲支持細胞への影響を検討し、その分子機序の解明や接着阻害による新たな周術期の併用治療法の開発を目的とした。血小板と胃癌細胞株との混合培養を行うこと による胃癌細胞の浸潤・遊走能変化を検討した。胃癌細胞の増殖能は24時間および48時間後、胃癌細胞MKN74及びNUGC-3において血小板との共培養により有意に増強されたが、その差はMKN74(P = 0.014, P = 0.018)よりもNUGC-3(P < 0.001, P = 0.001)で顕著であった。また、血小板との混合培養で両胃癌細胞株の遊走能は有意に上昇した(P < 0.001, P < 0.001)。同様に、浸潤能も、両細胞株で血小板との共培養後に有意に上昇した(NUGC-3、P = 0.017 および MKN74、P = 0.002 )。中皮細胞株Met-5Aを用いた接着アッセイでは、血小板との共培養により胃癌細胞の接着能が有意に増加した(NUGC-3, P = 0.036、MKN74, P = 0.022)。 血小板が胃癌細胞と接着し、周囲支持細胞へも影響を与えることで胃癌細胞の悪性化に寄与している可能性が示唆された。詳細な機序についてさらなる解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画書通りに進行
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今後の研究の推進方策 |
胃癌患者の血小板添加による胃癌細胞株の発現変化に関してmicroarrayを用いて検討する。血小板と48時間混合培養した胃癌細胞、48時間(液性因子のみ通過する)trans-wellを用いて共培養した胃癌細胞、抽出直前に血小板と混和した胃癌細胞(control)での浸潤・遊走能変化を比較検討するとともに、その発現変化に関してmicroarray解析を用いた比較検討を行う。 発現変化を認める候補分子に関して、胃癌細胞株でvalidationを行うとともに、原発巣の胃癌組織、腹膜播種症例での腹水中遊離癌細胞、腹膜播種転移巣の癌組織を用いて臨床検体での発現解析も行う。腹水中でのこれらの候補分子の発現はELISA法で検討し、腹膜播種予測バイオマーカーとしての可能性をも検討する。また、 腫瘍免疫回避について評価する目的でNK細胞等への影響や癌細胞表面のPD-L1発現ならびに IFN-γのsignaling pathwayの1つであるp-STAT1の発現についても検討する。
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