研究課題/領域番号 |
21K16445
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松浦 記大 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (90804477)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 食道癌 / 高齢者 / 上皮間葉転換 / EMT / メチルマロン酸 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の食道癌の予後が不良な原因として、上皮系の癌が間葉系の性質を獲得することで癌細胞が転移や浸潤を来す上皮間葉転換(Epithelial Mesenchymal Transition:EMT)が挙げられるが、近年、高齢者で特徴的に血中濃度の高い有機酸のメチルマロン酸(Methylmalonic acid:MMA)がEMTを誘導するという報告が他癌でされた。今回の研究では食道癌での検討に加えてより詳細なメカニズムを追求する。一方でMMAの代謝に関わるビタミンB12がMMAを低下させることも知られている。日常診療でも使われているビタミンB12を用いて癌治療への応用ができないかを探索する。
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研究成果の概要 |
65歳未満と65歳以上で比較すると、65歳以上の食道癌は、進達度は深く、リンパ節転移が多く、病理学的ステージが進行していた。また免疫組織化学染色では、高齢者の食道癌において、上皮間葉転換(EMT)を誘導するMusashi2-Notchシグナルが働くことによって、癌の進行度がより高くなる、ということが示唆された。またEMTが誘導されるメカニズムについて、ミトコンドリア機能低下とEMTの関連が示唆された。さらに、高齢者食道癌においてDNAのメチル化によるエピジェネティック制御がEMTを誘導していることが示唆され、DNAメチル化の阻害がEMTを抑制することも分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食道癌は予後の悪い癌の一つであるが、高齢者の食道癌は、若年者の食道癌よりも、食道のより深いところへ浸潤したり、食道にとどまらずに別の臓器へ転移する傾向があることが分かった。そこで今回の研究ではなぜそうなるのかということを研究した。それは、細胞の中にあるミトコンドリアの機能障害が原因の一つであると考えられ、このミトコンドリアの機能障害が遺伝子を制御することで、癌をより浸潤や転移しやすくすることが原因である可能性が考えられた。そしてこの遺伝子制御を抑えることで浸潤や転移を抑えることができる可能性も考えられ、今後治療へのきっかけになればと考えている。
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