研究課題/領域番号 |
21K16455
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
清水 康博 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (90897208)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 膵がん / バイオマーカー / リキッドバイオプシー / TFPI2 / 膵癌 / 診断 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌症例60例、膵良性疾患症例40例と健常人60例の血清を前向きに収集し、TFPI2を測定し膵癌診断マーカーとしての有効性を検討する。膵癌患者60例のうち30例は早期症例とし、早期診断にも有用か検討する。また、既存マーカーとの相補性の検討や治療効果判定や再発診断への応用、血栓症との関連の解析も行う。TFPI2の膵癌組織発現とメチル化の評価を行い、血中濃度や臨床的アウトカムとの関連を探索する。
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研究実績の概要 |
本研究では膵癌患者の血清を前向きに収集し、膵癌診断マーカーの有効性を明らかにすることを目的としている。 ・TFPI2の膵癌診断性能の評価 膵癌患者51例の血清を用いてTFPI2の測定および解析を行った。患者平均年齢は71.6歳(50-87)、性別は男/女=28/23、StageはI/II/III/IV=26/10/7/8であった。血清TFPI2値の平均は246.7±136.7pg/ml、Stage別ではI/II/III/IV=231.8±134.1/258.4±133.6/166.0±43.0/351.2±157.2であった。血清TFPI2値は腫瘍径や性別、下肢静脈血栓の有無、既存マーカー(CEA・CA19-9)との相関は認めなかった。健常人検体(n=241)を用いてROC解析ではAUCは0.86(0.793-0.927)であり、cut off値を156.4pg/mlに設定すると特異度80.1%、感度80.4%であった。陽性率は39/51(76.5%)で、CEA 16/51(31.4%)、CA19-9 33/51(64.7%)を上回る結果であった。また、血清TFPI2陽性 and/or CA19-9陽性で49/51(96.1%)で早期症例を含めて膵癌患者の拾い上げに有効な可能性が示唆された。 ・膵嚢胞性疾患患者におけるTFPI2の意義 嚢胞性疾患患者16例の血清を用いてTFPI2の測定および解析を行った。患者平均年齢は67.9歳(24-81)、性別は男/女=9/7、外科切除が施行されたのは14例(88%)で悪性嚢胞性疾患は7例であった。それらの患者の血清TFPI2値は277.2±87.7pg/mlで良性嚢胞性疾患患者の147.8±22.4pg/mlより有意に高値であった(p=0.001)。さらなるデータの集積により、これらの結果の再現性を得られるか検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
症例集積を完了した。統計学的に有用性の評価を行う。次年度中の論文化を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
今後は集積した症例の測定結果より、最終的な統計学的な評価を行う。次年度中に論文化を行う。
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