研究課題/領域番号 |
21K16463
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 静岡県立静岡がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
藤谷 啓一 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10766132)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 胃癌CT画像 / 深層学習 / 胃癌 / AI / CT / 臨床診断 / 病理 |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌の治療方針は臨床病期に応じて選択されるが、検査画像からの主観的な術前臨床診断と術後病理診断の一致率は必ずしも高くない。近年、決められたアルゴリズムに沿って画像情報を分類や定量化することができる人工知能 (AI)が急速に進歩している。 本研究は客観的かつ精度の高い胃癌の臨床病期診断を行うAIプラットフォームの構築を目的とし、胃癌術前のCT画像と病理病期診断から深層学習によるモデル構築を行う。さらに、多くの臨床情報を統合して胃癌の病態や治療効果などを予測し得る二次利用可能なCT画像のAIプラットフォーム構築や、臨床病期診断予測ツールの一般ウェブ公開のための基盤整備を目標とする。
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研究実績の概要 |
データの収集方法や管理体制の構築ならびに機械学習に係る外部業務委託機関との交渉を経て、「胃癌のCT画像を用いた深層学習による胃癌診断と臨床転帰の予測モデル構築の試みに関する予備的な後ろ向き観察研究(研究責任医師:藤谷啓一)」の研究実施計画書を作成した。本研究の目的は胃癌CT画像から胃癌の診断や治療転帰を予測する深層学習モデルのプロトタイプを探索的に構築することである。研究デザインは、静岡県立静岡がんセンターにて胃癌または食道胃接合部癌に対して胃切除術が施行された患者を対象に、過去に保存されたデータを利用する単施設の後ろ向き観察研究とした。2022年4月5日に静岡県立静岡がんセンター探索研究倫理審査委員会の承認を得た(整理番号 T2021-46-2021-1-5)。 2014年から2018年に静岡がんセンターにて胃癌または食道胃接合部癌に対して胃切除術が施行された1544名の臨床病理学的情報を収集した。術前化学療法ありと遠隔転移ありを除外し、深達度T2以深、腫瘍径30mm以上を満たした419名より腹部骨盤造影CT検査が施行されていなかった10名を除いた409名を対象とした。5mmスライスの2D-CT画像を用いて、胃癌専門医が348例の胃癌アノテーションを行い、臨床病理学的情報と胃癌アノテーション付きCT画像を組み合わせた胃癌AIプラットフォームを構築した。次いで、348例をトレーニングセットとバリデーションセットに群別し、CT画像の胃癌セマンティックセグメンテーションモデルを開発した。現在、CT画像から病理学的な胃癌の深達度と進行度の診断予測を行う深層学習モデルを作成し、診断精度を向上させる取り組みを進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
CT画像における胃癌セマンティックセグメンテーションと、病理学的胃癌進行度を予測する深層学習モデルを構築したが、高い精度が得られていないため進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
胃がん周囲のノイズ除去やモデルinputにおける3-Dアーキテクチャへの変更などによりモデル精度を高める。また、CT画像における正常胃の胃壁構造やリンパ節の画像情報ならびに胃癌の肉眼写真画像、病理組織画像の追加などにより病理学的進行度を予測するモデル精度の向上を試みる。
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