研究課題/領域番号 |
21K16464
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
安枝 明日香 東洋大学, 食環境科学部, 助教 (10745871)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / オートファジー / 腸管マクロファージ / オルガノイド / クローン病 / 潰瘍性大腸炎 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患(IBD)は、遺伝および環境要因が複雑に絡み合うことで発症し、消化管に慢性炎症を来す疾患である。近年の研究で、細胞の恒常性を維持する機構であるオートファジーの関連遺伝子が、IBDの発症や薬効に影響を及ぼすことや、オートファジーの減弱が、腸管炎症に寄与することが明らかとなった。申請者らの先行研究においては、オートファジー亢進物質の投与が、腸炎モデルマウスの腸管マクロファージ(Mφ) に作用することを明らかにした。本申請では、先行研究を動物モデルからヒトサンプルを用いた検討へと発展させ、オートファジー亢進がIBD新規治療標的として治療に及ぼす影響について検討することを目的とし検討を実施する。
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研究実績の概要 |
先行研究にて同定したオートファジー誘導物質の腸炎緩和能について、マウスからヒトに発展させ、同様のメカニズム(対象とするサンプルが、腸管のマクロ ファージにおいて、オートファジーを亢進させることにより、炎症性サイトカインの減少、非炎症性サイトカインの上昇を介した腸炎緩和を誘導した)でヒト由来サンプルでも確認できるかということを目的に検討を実施した。 ①オルガノイドの樹立・サンプル添加実験:本年度は試験サンプルを添加し、オートファジーについてサンプル添加によるわずかな誘導が確認できた。シーケンス解析ならびに複数シグナルの確認を実施中 ②対象症例腸管粘膜固有層由来マクロファージにおける有効性の検討:炎症性腸疾患の手術時サンプルを採取し、FACSにて腸管マクロファージをソート、培養し、サンプル添加によるオートファジー誘導の差異を検討している。実験十分量の細胞生存率を得ることが困難であることから、来年度も引き続き方法の確立を目指す。 ③試験サンプル有効成分の同定:昨年同様に試験サンプル中の有効成分を同定すべく、複数分画(エーテル層、ブタノール層、酢酸エチル層、水層等)にて分画物を分取し、マウス由来マクロファージを刺激した条件で試験サンプルを添加、炎症状態について検討した。複数の分画層において、炎症マーカーの抑制が確認されたものを細分化する検討を続けている。今後、炎症緩和に有効性を示している物質を同定し、再度マウスへの投与実験、オルガノイドへの投与実験を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①オルガノイドサンプル添加実験 炎症性腸疾患患者、炎症部由来のオルガノイド構築が困難である(症例希少性ならびに安定性の問題による) ②対象症例腸管粘膜固有層由来マクロファージにおける有効性の検討 分離については概ね順調に進んだものの、後のサンプル添加実験における再現性が取れない ③試験サンプル有効成分の同定 時間がかかるものの概ね順調に進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
マウスにおける先行研究においては、対象とするサンプルが、腸管のマクロファージにおいて、オートファジーを亢進させることにより、炎症性サイトカインの減少、非炎症性サイトカインの上昇を介した腸炎緩和を観察している。 関与成分を同定し、その成分が同程度の有効性を示すのか、もしくは複数の成分が関与しているのか、in vitro, in vivo実験双方で確認する。また症例由来の細胞、オルガノイドに添加し、その有効性を確認する。
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