研究課題/領域番号 |
21K16467
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
上田 浩樹 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (40750071)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 膵神経内分泌腫瘍 / 悪性インスリノーマ / バイオマーカー / インスリノーマ |
研究開始時の研究の概要 |
これまで膵神経内分泌腫瘍(Pancreatic neuroendocrine tumors; PanNETs)は悪性度の低い希少疾患であると誤解されてきた。PanNETsには世界的にWHO分類が用いられるが、必ずしも臨床的悪性度と一致しておらず問題となっている。PanNETsの悪性度予測、さらにはイメージングバイオマーカーの基礎となる病態生理をバイオインフォマティクスで明らかにし、PanNETsの治療の標的となる遺伝子の発見に至ることが本研究の目的である。
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研究実績の概要 |
これまで膵神経内分泌腫瘍(Pancreatic neuroendocrine tumors; PanNETs)は低悪性度の希少疾患とされてきたが、実際は転移を伴う進行例が初診時の半数もいることがわかった。World Health Organaization; WHOがNETをG1, G2, G3と分類したが、必ずしもこのWHO分類は臨床的悪性度と一致せず、PanNETsの臨床的悪性度の新しい指標を確立する必要がある。 今回我々はPanNETsの中でもインスリノーマに注目した。インスリノーマは意識障害やけいれんなどの中枢神経症状を含む、多彩な低血糖発作を引き起こし患者のQOLを著しく低下させる疾患である。手術により根治が期待出来、悪性所見を伴わない場合は核出術が推奨されているが、良悪性インスリノーマの鑑別は明らかでない。 当科が経験したインスリノーマ36例を後方視的に解析すると、37例中3例は膵原発巣が非機能性NETであり、肝転移先がインスリノーマとなっていた。男女比は男性15例/女性21例、初回治療時の年齢(中央値,範囲)は56(7-77)であった。手術は32例に施行された。原発巣Ki67(中央値,範囲)は1.5(0.6-41.6)で、WHO分類NET G1/G2/G3はそれぞれ22/9/1例、NECは1例であった。腫瘍径(中央値,範囲)は15(8-120)mmであった。膵原発インスリノーマを切除した30例のうち、術後転移・再発を来した悪性インスリノーマは10例(33%)に認めた。悪性インスリノーマのリスク因子を検討するとG2以上(p=0.026)、MEN1型(p=0.002)、腫瘍径(p<0.001)であった。 これらインスリノーマを含むPanNETs症例に対し臨床検体の組織切片からRNAを抽出し、DNAマイクロアレイを用いて網羅的遺伝子解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで良悪性インスリノーマの鑑別は明らかでなかったが、今回当科のインスリノーマを後方視的に解析し,膵原発インスリノーマを切除した30例のうち、術後転移・再発を来した悪性インスリノーマが10例(33%)に認められたことがわかり、そのリスク因子まで特定出来た。悪性、良性の2群間の遺伝学的背景を比較検討する必要があるが、まず症例の同定・抽出が必要であった。 今回膵原発インスリン―マ、膵原発非機能性腫瘍、転移性肝腫瘍それぞれの臨床検体の組織切片からRNAを抽出し、DNAマイクロアレイを用いて網羅的遺伝子解析を行った。 もともと希少疾患で症例数は限られているが、本年度は3例を切除でき、症例を蓄積できた。DNAマイクロアレイを用いて計16例の網羅的遺伝子解析を行った。比較対象の非機能性膵神経内分泌腫瘍38件分のデータの蓄積は当科にすでにあり、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
抽出した良性悪性インスリノーマ、さらに非機能性腫瘍の臨床検体のガラススライド標本上の組織切片からRNAを追加で抽出し、DNAマイクロアレイを用いて網羅的遺伝子解析を追加で行う。両群間の遺伝子群の変動を同定し、悪性インスリノーマの予後予測に繋がり、かつ治療の標的たり得る分子の探索を行う。標的分子の免疫染色を行い、予後などを検討することで標的遺伝子の意義を検証する。
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