研究課題/領域番号 |
21K16475
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中島 正夫 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (00875487)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | PDAC / PBMC / tumor marker / gene expression / 膵癌 / 術前化学療法 / 免疫細胞 / 集学的治療 / がん免疫 / バイオマーカー / 患者腫瘍免疫状態 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌に対する集学的治療としての術前化学療法(NAC)適格症例・レジメン選定のため、患者腫瘍免疫状態に着目し新たな複合マーカーの探索を目的とする。患者腫瘍免疫状態の変化をNAC前・中・後のタイミングでマスサイトメトリーを用いて測定し、治療効果との相関をクラスター解析することでマーカー候補群を探索する。最終的には同定された腫瘍免疫関連因子と既存の腫瘍側因子を組み合わせることで新規複合バイオマーカーを開発する。その結果NAC適格症例・レジメン選定が可能となり、術後早期再発をきたす症例を予測し不必要な手術が回避可能となるなど、個別化した集学的治療提供のコンセプト確立し膵癌治療成績の向上を期待する。
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研究成果の概要 |
本研究により、以下の2点が明らかとなった。膵癌に対する術前化学療法(NAC)施行例において、①NACの種類によってPBMCの変化に違いを認めること、②NAC前後の腫瘍マーカーおよびPBMCの遺伝子発現変化を解析することで、術後早期遠隔転移再発を予測しうること。②に関してはCA19-9が正常値まで下がらない症例や、NAC前後PBMCの遺伝子X発現の変化が高度である症例は術後遠隔転移再発の可能性が高いことが明らかとなった。さらに、CA19-9とPBMCの解析結果を統合することで、より高率に術後遠隔転移再発を予測しうることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、術前化学療法後に腫瘍マーカーであるCA19-9が正常値まで下がらない膵癌症例は、術後に遠隔転移再発の可能性が高いことが示唆された。これにより、原発巣の切除を行わないという新たな治療方針の策定の可能性が示された。さらに、この基準に加えて、術前後の末梢血単核細胞(PBMC)の変化を解析することにより、術後早期再発を高確率で予測し、不要な手術を回避する可能性が示唆された。このアプローチは、個別化した集学的治療提供のコンセプト確立に寄与するものであり、学術的・社会的に意義ある成果を得た。また、これら高リスク症例に対して化学療法を継続することで、膵癌治療全体の成績向上が期待される。
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