研究課題/領域番号 |
21K16484
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山田 直也 自治医科大学, 医学部, ポスト・ドクター (50611787)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | フェロトーシス / がん代謝 / 小胞体ストレス / 肝癌 / 肝細胞癌 / アミノ酸 / 細胞死 / 鉄 |
研究開始時の研究の概要 |
新規細胞死であるフェロトーシスが2012年に報告され、癌治療の新たな標的として注目されている。申請者らは癌細胞のエネルギー代謝を変化させた際に、フェロトーシス感受性が亢進することを見出した。つまり、この現象を応用することで、少ない副作用で癌細胞を選択的に攻撃することが可能になり、画期的な治療法となることが期待される。本研究では、がん代謝とフェロトーシスの関連について解明し、新規癌化学療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
肝癌細胞株において、ジクロロ酢酸ナトリウム(DCA)の添加によって、低用量のブチオニンスルホキシミン(BSO)でのフェロトーシス誘導が可能になった。DCAの添加により、アミノ酸欠乏様の遺伝子発現変化を生じ、多種のアミノ酸トランスポーターの発現上昇を認めるとともに、細胞内アミノ酸濃度の上昇を認めた。DCAの添加によって小胞体ストレスシグナルであるATF4経路の発現上昇を認め、ATF4遺伝子ノックアウト細胞ではDCAによるferroptosis誘導効果は消失した。以上から、DCAによるエネルギー代謝変化に伴う小胞体ストレス応答がフェロトーシス感受性亢進につながることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フェロトーシスを標的とする癌化学療法は確立しておらず、生体内での十分な効果を得るとともに、副作用を軽減させる方法が求められている。本研究では、がん代謝を制御することによってフェロトーシス感受性亢進を誘導しており、これを応用することで生体内での抗腫瘍効果を高めるとともに、副作用の軽減にもつながると期待される。また、アミノ酸代謝と小胞体ストレス応答、フェロトーシス感受性の関連については未だに不明瞭な点が多くのこされており、フェロトーシスの分子機構の更なる解明につながると考えられる。
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