研究課題
若手研究
腹部大動脈瘤(AAA)に対するステントグラフト内挿術(EVAR)は、周術期の低侵襲性から飛躍的に普及した。しかしEVAR特有の合併症であるエンドリーク(EL)による再手術が問題である。特に瘤分枝からの逆流によるEL(II型EL)に対する治療法は確立されていない。本研究はEVAR術前に瘤分枝血流をMRIにて解析し、II型ELの発症を予測する。さらにEVAR術前に選択的瘤分枝塞栓術を行い、その有用性を検証する。本研究によりEVAR術後II型ELに対する治療戦略が確立される。
2013年1月から2019年12月に腹部大動脈瘤(AAA)に対しステントグラフト内挿術(EVAR)を施行した症例を対象とし術前のMRIを用いて4D-flow解析を用い瘤分枝総血流量(TFV)を計測した。EVAR1年後のII型エンドリークによる瘤径増大群と非増大群を後方視的に比較検討した。増大群で有意にTFVが高値であることを報告し、またEVAR術後瘤増大のカットオフ値TFV13.6ml/minを得た。現在、術前TFV値がカットオフ値以上の症例にEVAR術前瘤分枝塞栓術を施行し、主要評価項目を1年後の瘤径増大とし、非特定臨床研究(CRB4180008 研究番号21-112)として実施中である。
腹部大動脈瘤(AAA)に対するステントグラフト内挿術(EVAR)においてII型エンドリーク(II型EL)による術後の瘤径増大が生じうるが、その予防法や治療法は確立されていない。現在、術前分枝塞栓を実施する施設もあるがII型ELの発生を予防するための術前の分枝塞栓をどの症例に行うべきか明確ではなく、術後II型ELにより瘤径増大を認めた場合に塞栓術や瘤縫縮術の適応を検討している施設も多い。本研究の結果から術前に術後のII型ELによる瘤径増大が予測され、瘤径増大が予測される症例に対してのみ術前に選択的分枝塞栓を実施することが可能となればII型ELによる術後瘤径増大の予防法となりうると考えられる。
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