研究課題/領域番号 |
21K16494
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
笹井 雅夫 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師(常勤) (70598680)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 心筋成熟化 / 回転浮遊培養 / 培養法開発 / 心筋 / 成熟化 |
研究開始時の研究の概要 |
回転浮遊培養(培養液の流れと重力を均衡させ、培養液の流れによってshear stress(力学的作用)を与えて培養する方法)とTraveling wave(円柱回りに播種した心筋細胞が、円柱周囲にリング状の組織体を自発的に形成し、そのリング状の組織体において連続的に電気的な刺激が伝達する現象)を組み合わせ、力学的及び電気生理学的により成熟型の心筋組織の培養方法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
iPS細胞由来心筋細胞(cTnT陽性細胞率64.2%~91.2%)を用いて、電気的な刺激により成熟を促す方法(TW培養)と、Shear stressを与え、物理的な刺激により成熟を促す方法(RWV培養)を組み合わせた。培養基材にはポリ乳酸コグリコール酸のナノファイバーを用いた。拍動の解析で、TW培養では拍動回数が増加、収縮が減少傾向にあることが見出せた。培養上清を用いたELISAでは、特定の因子の変動が確認された。網羅的RNA解析により、心筋成熟関連遺伝子の変動が確認された。細胞代謝物プロファイル解析により、RWV培養でTCA回路関連産物の増加が見られ、ミトコンドリア活性向上が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存治療法で有効でない病状に対して、再生医療が注目されている。大阪大学では、虚血性心筋症や拡張型心筋症患者に対して、iPS細胞由来心筋細胞を用いた臨床試験を実施している。現在のiPS心筋細胞は、未成熟な段階の心筋細胞であり、移植によりレシピエント心臓に対して力学的な補強を発揮することは困難と言われている。また、薬剤スクリーニングでも、未成熟な心筋細胞で評価されているが、より電気生理学的に成熟した心筋細胞を用いることが望ましいと言われている。そのためより力学的及び電気生理学的に成熟した心筋組織を必要としており、本研究での培養法開発がその成熟心筋細胞を得る一助となることが期待される。
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