研究課題/領域番号 |
21K16514
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
土肥 良一郎 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00817786)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 肺再生 / ダイレクトリプログラミング / 線維芽細胞 / 2型肺胞上皮細胞 / 細胞治療 / 肺線維芽細胞 / 肺 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
体細胞から iPS 細胞のような多能性の状態を経ずに、別の細胞へ変換する現象である「ダイレクトリプログラミング」が再生医療における新しい技術革新として注目されている。その機序として、ウイルスによる遺伝子導入ではなく、低分子化合物の影響下に、細胞内に埋め込まれている正常な再生プログラムのスイッチを再起動して、細胞が再生される技術の開発がいま求められている。本研究では、当該技術を用いた肺再生の研究として、①細胞源の再検討、②肺胞上皮を誘導する低分子化合物の探索、③その培養増殖条件の最適化の、3つの課題に挑戦する。ヒト肺組織由来の生理的な3次元の臓器特異的な空間的鋳型を活用する計画である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は第一に、肺常在の線維芽細胞を肺胞上皮細胞へ誘導するケミカルダイレクトリプログラミング法を開発することである。第二に、脱細胞化によって得られた生理的な3次元の臓器特異的な空間的鋳型を用いて、生体内の複雑な肺構造内における線維芽細胞の上皮細胞への時空間的な誘導過程を捉えることである。将来的な低分子化合物による生体内肺再生治療の実現へ向けての基礎技術となることが期待される。令和3年度は、研究の第一段階としてリプログラミングの細胞源とするヒト肺組織由来線維芽細胞の選定を開始した。疾患肺において特異的な肺組織常在線維芽細胞を最終的なリプログラミングの標的とするため、疾患肺の手術検体より採取したヒト肺組織から外植片培養により初代細胞を単離し、細胞免疫染色によって初代培養細胞の表現型の探索へ臨んだ。肺組織由来の線維芽細胞は肺全体の30-40%を構成するとされ、線維化に関与する筋線維芽細胞やサーファクタントに含まれる脂肪を供給する脂肪線維芽細胞など複数の表現型が存在するが、常在肺線維芽細胞については定義がまだ曖昧な部分が多く同じ表現型でも複数の同定法が存在しており、初期化の細胞源となる肺特異的線維芽細胞の表現型探索については未完了である。令和4年度は、マウスを用いた研究へ変更し、リプログラミング法の開発へ向けて2型肺胞上皮細胞のレポーターマウスの導入を開始した。同マウスから採取した線維芽細胞を用いることで、ダイレクトリプログラミングによって2型肺胞上皮細胞へ分化したことを明確に証明できるため重要となる。しかし、COVID19感染による研究活動制限や人的要因による研究中断期間(令和4年4月~令和5年3月)が生じ、中断時期の影響から令和5年度も進捗が遅れているが、研究の核心であるダイレクトリプログラミングに必要なパイオニア転写因子の探索を始めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初、疾患肺において特異的な肺組織常在線維芽細胞を最終的なリプログラミングの標的とするため、疾患肺の手術検体より採取したヒト肺組織から外植片培養による初代細胞単離にこだわった。肺組織常在線維芽細胞の定義が曖昧な現状のなか、表現型と同定法の知識の整理が不十分であったために、ヒト初代細胞単離の行程で躓き、時間を消費した。研究の核心であるダイレクトリプログラミングに必要なパイオニア転写因子の探索が遅れており、当初の実験計画よりも実験進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までの計画では、将来の臨床応用の観点からどの表現型のヒト肺常在線維芽細胞を用いるかの決定に重点を置いた。実験の進捗状況を考慮し今後の推進策として、ヒト肺常在線維芽細胞の表現型の選定へ向けた行程を中断し、2型肺胞上皮細胞のレポーターマウスから単離した線維芽細胞を用いて、まず肺胞上皮細胞への運命転換に必要なパイオニア転写因子を同定する。つぎに、オンターゲット効果を増加させる補完的な転写因子を同定し、細胞運命転換の効率化を図る。転写因子の網羅的なスクリーニングでは時間を要するため、転写因子セットを予測するための計算フレームワーク(Mogrify)やCRISPER遺伝子転写活性化スクリーニングによって、必要な転写因子セットを効率的に探索する予定である。最終的には、それらを同時に制御できる化合物の組み合わせの探索していく。
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