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EGFR遺伝子変異陽性pN1-2肺癌術後の予後に関するシグナル経路・分子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K16519
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分55040:呼吸器外科学関連
研究機関地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所)

研究代表者

伊坂 哲哉  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 呼吸器外科, 医長 (10769219)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード逆相蛋白質アレイ解析 / EGFR遺伝子変異陽性肺癌 / tissue microarray / EGFR / TKI
研究開始時の研究の概要

本研究は逆相蛋白質アレイ解析(RPPA)を用い、蛋白質の発現やリン酸化等の翻訳後修飾を網羅的かつ定量的に解析することで、病理学的リンパ節転移を有するstage II、III EGFR exon21 L858R点突然変異陽性肺癌(Ex21)で活性化している悪性化進展に関わる細胞増殖・細胞生存シグナルに関与する分子や経路を明らかにし、術後再発・死亡リスクとの関連性を解析する。本研究ではまずRPPAによるEx21で特異的に活性化するシグナル因子の同定を行う。さらにRPPAで同定されたシグナル伝達経路および因子が、癌悪性化において果たす機能を培養細胞実験系やin vivo実験系で検証を行う。

研究実績の概要

これまで病理学的リンパ節転移陽性(pN(+)) EGFR L858R点突然変異陽性(Ex21) 肺癌およびEGFR exon19 欠失変異陽性 (Ex19) 肺癌症例の逆相蛋白質アレイ解析(RPPA)解析対象症例を選抜および細胞増殖・アポトーシスに関連した16種の抗体選定し, 少数例でのRPPA解析を行い, 解析条件の検討を行った. その後対象例を追加し, Ex21肺癌66例, Ex19肺癌63例, 計129例を追加選抜し, 臨床データベースを構築した. また解析蛋白を追加するために, 129例のtissue microarrayを作成後, RBM10、p53、PD-L1などの蛋白発現とEGFR遺伝子変異陽性肺癌の臨床的な関連性を検討してきた. その結果RBM10蛋白発現が、pN(+)Ex21肺癌の病理学的悪性度、術後の全生存、およびEGFR-tyrosine kinase inhibitorの初回治療に対する奏効性と強い関連性が示唆された. また、RBM10蛋白の局在を確認すべくRNAscope解析も追加し, その結果も含めて2023年度に学会や論文で発表した. 現在RBM10蛋白とRBM10遺伝子変異との関連性を検討すべく, RBM10遺伝子変異およびその関連遺伝子を含めて次世代シークエンスで追加解析している. さらにMDM2やKMT2Cもtissue microarray用いて追加染色を行っており, pN(+)Ex21で活性化している可能性がある蛋白を追加選定している. 今後解析蛋白選定・抗体選定が行えたところで, RPPA解析にてpN(+)EGFR遺伝子変異陽性肺癌の悪性化進展やEGFR-TKI奏効に関わる活性化蛋白を網羅的に解析していく予定である. そしてpN(+)Ex21肺癌に特異的に発現する蛋白質をターゲットとした治療薬の開発を目指していく予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

近年,原発性肺癌において悪性化進展やEGFR-TKI奏効性に関連するRBM10, MDM2, KMT2Cの臨床的意義について報告されてきている. 今後pN(+)EGFR遺伝子変異肺癌を対象に, RPPA解析でこの蛋白活性を定量分析することを検討しているが, 未だこれらの蛋白の臨床的意義との関連性ついて示した研究は皆無である. まずこの蛋白とpN(+)EGFR遺伝子変異肺癌の臨床的意義との関連性を解析する必要があると考え, 現在解析を行い研究成果が得られているところである. 特にRBM10蛋白がpN(+) Ex21肺癌の予後やEGFR-TKIの奏効性に重要である分子であることが解明できたので, 現在RBM10遺伝子変異やRBM10に関連するカスケード蛋白に着目して, 解析を加えている. 今後各蛋白の臨床的意義との関連性ついての解析結果がまとまったところで, 選抜した抗体を用いて多症例でRPPA解析を行っていく予定である.

今後の研究の推進方策

まずRBM10蛋白とRBM10遺伝子変異との関連性およびRBM10遺伝子変異とその臨床的意義を解明する解析を, 2024年度内に行い, その研究結果をまとめておきたい. さらに前述した現在行っているMDM2やKMT2Cに関する解析も同時並行で行い, pN(+)Ex21で活性化している可能性がある蛋白を追加選定することを急ぎたい. 解析する対象蛋白の選定およびその抗体の選定が行えたところで, 順次RPPA解析にてpN(+)EGFR遺伝子変異陽性肺癌の悪性化進展やEGFR-TKI奏効に関わる活性化蛋白を網羅的に解析していく予定である.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Impact of RBM10 and PD-L1 expression on the prognosis of pathologic N1?N2 epidermal growth factor receptor mutant lung adenocarcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Isaka Tetsuya、Miyagi Yohei、Yokose Tomoyuki、Saito Haruhiro、Kasajima Rika、Watabe Kozue、Shigeta Naoko、Kikunishi Noritake、Shigefuku Shunsuke、Murakami Kotaro、Adachi Hiroyuki、Nagashima Takuya、Ito Hiroyuki
    • 雑誌名

      Translational Lung Cancer Research

      巻: 12 号: 10 ページ: 2001-2014

    • DOI

      10.21037/tlcr-23-355

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] RBM10およびPD-L1 発現がpN1-N2 EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌の予後に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      伊坂哲哉, 伊藤宏之, 足立広幸, 村上浩太郎, 三浦隼, 菊西啓雄, 繁田奈央子.
    • 学会等名
      第40回日本呼吸器外科学会学術集会.新潟.
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] RBM10, PD-L1, p53発現がpN1-N2 EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌の切除後の予後に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      伊坂哲哉, 宮城洋平, 渡部こずえ,繁田奈央子,菊西啓雄,重福俊祐,村上浩太郎,永島琢也,斎藤春洋,横瀬智之,伊藤宏之
    • 学会等名
      第64回日本肺癌学会学術集会, 千葉
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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