研究課題/領域番号 |
21K16534
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
伊東 久勝 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (60736388)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 慢性痛 / 睡眠障害 |
研究開始時の研究の概要 |
PAWW法で作成した睡眠障害モデルマウスに、手術的に組織を障害することで痛みを誘発し、痛みの回復の遷延を評価する。治療薬または予防薬の候補と考えられる薬物を投与し痛みへの効果を評価する。さらに睡眠に関する遺伝子制御によって引き起こされる痛みへの影響を評価することによって神経学的機序の一端を解明する。
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研究実績の概要 |
これまでの研究から睡眠障害は痛みの閾値および強度を増悪させることが示唆されてきた。しかしながら、旧来の睡眠障害モデルは物理的刺激で睡眠を中断させる断眠モデルであり、現代人の睡眠障害を正確に反映していない。本研究では、水上の回転ホイールで飼育する特殊ケージ(PAWWケージ)によってマウスに慢性的な不安ストレスを与え、自発活動を促すことによって睡眠-覚醒リズムを障害する新規睡眠障害モデルを採用した。 C57Bl/6J雄性マウスを二週間PAWWケージで飼育したところ、活動リズムが乱れた睡眠障害が起きることが確認された。 同様のスケジュールでPAWWケージまたは通常ケージで飼育した後に、術後痛モデルとして足底切開を行った(Brennan et al, 1996)。術後2時間、1、3、5、7、 10、14日後にvon Freyテストを施行して術後痛の回復の過程を評価した。その結果、通常ケージ群では3-5日で痛み反応が回復したが、PAWW群は痛みの回復に14 日間を要した。PAWW飼育開始から足底切開を行うまでの間にκオピオイド受容体拮抗薬であるnor-BNI(10mg/kg, i.p.)を投与したところ、PAWW群は痛みの回復遅延が改善した。PAWWモデルは不安と自発的運動による睡眠-覚醒リズムの障害を主とした睡眠障害を呈し、過食行動や体温異常などの自律神経障害を伴うことが知られており、 発症過程と症状が現代人の睡眠障害に酷似している。本研究ではPAWW法によって作成した睡眠障害モデルにおいて、術後の痛みの回復が遅延するが、κオピオイド受容体を拮抗することによって回復遅延が改善する可能性を前臨床的実験によって証明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は大きな計画の変更なく予定通り順調に進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
これまでと同様のスケジュールでPAWWまたは通常ケージで飼育しているマウスに予め薬物を投与した上で足底切開あるいは坐骨神経結紮手術を施し、痛みが回復するまでの期間を評価する。現在調査できていない睡眠効果を持つ抗うつ薬および新規睡眠薬について調査する。標的分子のオリゴDNAを基に作製したκオピオイド受容体を標的とするCRISPR-CAS9をアデノ随伴ベクターに搭載し、睡眠に関する脳領域(視床下部、帯状回、脳幹網様体など)に微量注入し、痛みの回復に与える影響を評価する。
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