研究課題/領域番号 |
21K16542
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
角 千里 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (00580466)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 急性呼吸窮迫症候群 / interferonβ-1a / 細胞間バリア機能 / CD73 / 低酸素誘導性因子 / CD39 / interferon β-1a / IFNβ-1a / 細胞間バリア / HIF-1 |
研究開始時の研究の概要 |
急性呼吸窮迫症候群の治療薬候補として本邦でも臨床治験が行われていたinterferon β-1a (IFNβ-1a)の細胞間バリア機能への影響をIFNβ-1aシグナル伝達,肺内酸素分圧・サイトカイン環境と関連付けた転写因子hypoxia-inducible factor 1(HIF-1)活性化とのクロストークの観点で解明する。IFNβ-1aの作用機序の解明に加えて血管透過透過性の制御の基礎的なメカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
内皮細胞において、IFNβ-1aは時間および用量に依存してCD73の発現を増加させた。さらに、IFNβ-1aは細胞間透過性を低下させ、その保護効果がCD73の活性と発現の両方によって介在されていることを明らかにした。また、IFNβ-1aはCD73依存的に接合タンパク質の局在と細胞骨格のリモデリングを制御することも判明した。アデノシンやCD73活性阻害薬を用いた解析からは、IFNβ-1aによるバリア機能の保護効果がアデノシン非依存的な経路を通じている可能性が示された。 結論として、IFNβ-1aはCD73依存的にジャンクションタンパク質の発現と局在を調節することで内皮細胞のバリア機能を向上させた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ARDS時にダイナミックに変動する肺の酸素環境・サイトカイン環境でそのHIF-1システムとのクロストークの実態を明らかにして,血管内皮のみでなく肺胞バリアの形成に対する影響を明らかにすることが本研究の目的であった。本研究の成果は潜在的には外国での研究で臨床における有効性が確認されていたIFNβ-1aの作用機序を肺の酸素環境を考慮に入れて明らかにしようという試みであり独自性が高くさらに分子機序の解明によって今後広く麻酔・集中治療の現場で使用されるであろうIFNβ-1aの生体への作用の理解につながり製剤の適応また限界を明らかにする手掛かりを与えられる事が期待される。
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