研究課題/領域番号 |
21K16544
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
栗原 一貴 山形大学, 医学部, 客員研究員 (90716672)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 腕神経叢ブロック / エコー画像 / 機械学習 / 横隔神経麻痺 / 効果予測 |
研究開始時の研究の概要 |
腕神経叢ブロックは上肢の鎮痛効果に優れる一方で、合併症として横隔神経麻痺が生じることがある。そこで本研究では、腕神経叢ブロック施行時のエコー画像をAIに機械学習させ、鎮痛効果と横隔神経麻痺の確率を予測するシステムの開発を目指す。このシステムが開発されれば、神経ブロック施行時にリアルタイムで鎮痛効果と横隔神経麻痺の予測ができるようになり、その結果、鎮痛効果を最大限に高め、合併症への迅速な対応が可能となる。また、若手麻酔科医への神経ブロックの教育的な観点からも有用である。
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研究実績の概要 |
本研究では、腕神経叢ブロック施行時のエコー画像とブロックの鎮痛効果および横隔神経麻痺の有無をAIに機械学習させ、腕神経叢ブロック施行時のエコー画像から鎮痛効果および横隔神経麻痺の確率を予測するシステムの開発を目的とする。また、本研究のシステムが開発できれば、腕神経叢ブロック以外の末梢神経ブロックにも応用することができ、さらに若手麻酔科医の教育的な観点からも有用であると考えられる。 本研究は前向き試験として、2021年5月より研究をスタートした。申請当初は山形大学医学部附属病院において実施する予定であったが、諸事情のため、山形県内の別の医療施設において研究を実施している(この実施施設の変更については、当院の倫理委員会で承認された)。対象としたのは、腕神経叢ブロックを施行する上肢・肩の手術を受ける成人で、術前に文書による同意を得られた症例とした。呼吸機能障害や喘息を有する症例や、上肢に解剖学的な異常を有する症例、同意を得られなかった症例は除外した。機械学習のためのデータとして、各症例の腕神経叢ブロック施行時のエコー画像(1症例につき5種類)、術後の鎮痛効果(NRS)および補助鎮痛薬の使用回数などのデータを収集した。横隔神経麻痺の有無については、申請当初は胸部レントゲン撮影で評価することにしていたが、医療被爆の点などから、エコーによる評価方法に変更した(この点についても、当院の倫理委員会で承認された)。 研究開始から2022年4月までに、予定していた約200症例からデータを得られた。データの収集は終了とした。2023年は、このデータを用いて解析をおこなった。現時点では、AIによるエコー画像からの横隔神経麻痺有無の判断はできないという結果になっている。今後は、プロブラムの修正と、結果がでなかった場合は、その問題点を明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概要でも記述した通り、2023年4月までに予定していた症例数からデータ収集が終了した。そのデータを用いて機械学習を行い解析した結果は、AIによるエコー画像からの横隔神経麻痺の有無は判断できない、となった。しかし、プログラムの改良により、判断可能となる可能性はある。よって、本研究は、現時点では結果を学会発表や論文等にすることはできないが、解析を進めることで結果が変わる可能性があり、当初の計画よりやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
でにデータ収集が終了した。現在はデータの解析を実施している段階である。今後は、プログラムの改良、解析が終了しだい、結果を学会発表ならびに論文として公表する予定である。
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