研究課題/領域番号 |
21K16551
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
日野 秀樹 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90881061)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 敗血症 / 不整脈 / 心房細動 / チャネル |
研究開始時の研究の概要 |
心房細動を併発した敗血症患者の予後は悪く、またその心房細動に介入することで予後が改善することも知られている。しかし、その最適な治療方法はいまだ確立していない。 敗血症を基盤とする心房細動の発生機序の1つに細胞内のカルシム過負荷が指摘され、その制御が治療のターゲットとなりうる。 最近では敗血症性血管内皮細胞障害と細胞内カルシウム動態に関連するCRACチャネルの関与が示唆され、その阻害剤によって障害が軽減されることも報告された。そこで本研究では、敗血症モデルマウスにおける心房細動の発生機序においてもCRACチャネルが関わっているか心臓特異的にCRACチャネルをノックアウトしたマウスを用いて検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は不整脈の基質を形成する細胞内カルシウム過負荷と関連するCalcium-release activated calcium(CRAC)チャネルであるOrai1チャネルを抑制することにより、敗血症によって起こる致死的不整脈が抑制されるか否かを検証することである。 昨年度からLPS(1.5 mg/kg腹腔内)投与48時間後の心臓に発現しているOrai1をノックアウトしたマウスに右内頚静脈から右室内に1フレンチの4電極ペーシングワイヤーを挿入し不整脈を誘発することで、LPSを投与したコントロールマウスの誘発率を比較した。ノックマウスでは誘発率が低い傾向であるが、事前に設定している個体数を完遂するため継続中である。 並行して昨年度からラットの単離心室筋細胞を用いてホールセルパッチクランプ法で活動電位を記録している。Tyrode液を灌流したコントロールの活動電位波形を記録後、LPSを含有したTyrode液を灌流させ記録し、続いてLPSに加えOrai1阻害剤を混合したTyrode液を灌流した活動電位を連続記録した。その結果、我々の実験条件ではLPSにより活動電位持続時間は短縮し、Orai1阻害剤によってその影響がが緩和される傾向にあることが分かった。現在、引き続き実験を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ノックアウトマウスを使用する実験に関しては、心臓のconditionalノックアウトマウスの出生発育率が低いことが実験の遅れに影響している。 単離心筋細胞を使用したパッチクランプの実験では、一時期心筋の単離の成績が良くなく実験の進捗状況に影響した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き心臓特異的Orai1チャネルノックアウトマウスでのLPSによる不整脈誘発率の検証、単離心筋細胞を使用したパッチクランプ法による活動電位の記録を行う。 今後はラット単離心筋細胞を使用したカルシウムイメージングを開始する。
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