研究課題/領域番号 |
21K16552
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
野口 智康 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10822398)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 神経ブロック / ペインクリニック / 3Dプリンター / CAD/CAM / 3Dプリンタ |
研究開始時の研究の概要 |
神経ブロックとは『主として末梢神経の機能を停止させ痛みを軽減することを目的とした治療法』である。歯科でも抜歯や歯の神経の抜髄、口腔インプラント手術などの歯科処置時や三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛などのペインコントロールに使用され、神経ブロックの重要度は高い。歯科領域で行う代表的な神経ブロックに下歯槽神経ブロックがあるが、成功率は10~90%と高いとは言えない。そこで本研究は下顎骨のCTと口腔内スキャナのデータから『誰でも安全に確実に下歯槽神経ブロックを奏効させるためのIANBデバイス』を開発し、その有効性、安全性、コストパフォーマンスを検証すことを目的とした。
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研究成果の概要 |
下歯槽神経ブロック (IANB) は確立された技術だが、術者間誤差が大きい。 合併症を理由に好まない歯科医もいる。 しかし、疼痛管理に有用な技術であり、確実なIANBは術者と患者双方に利益をもたらす。 本研究の目的は新たに開発した「IANBデバイス」を使用したガイド下IANBの有効性を調査することであった。 痛みが消え、下唇の感覚閾値が上昇すれば成功とした。 全被験者は「IANBデバイス」の調整を必要とせず、下唇の閾値上昇と痛みの消失が確認された。合併症は認めなかった。 「IANBデバイス」の使用は従来の方法と比較して、術者間誤差を排除し、安全性と成功率を向上するのに役立つ可能性があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究結果より「IANBデバイス」を使用すれば術者の経験値や患者の解剖学的な個性に影響されることなく安全にほぼ同一の効果の神経ブロックができる可能性がある。神経ブロックが効かないことは術者にとっても患者にとっても恐怖であることから、「IANBデバイス」の普及により、さらにレベルの高い歯科治療時の疼痛管理が可能になると考えられる。ただし、現時点ではCTの撮影が必要であることや設計のプロトコル化、費用、作成に必要な設備の問題もあり、従来の下歯槽神経ブロックを上回るメリットが臨床現場であるのかは議論の余地がある。
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