研究課題/領域番号 |
21K16572
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
齋藤 雅史 神戸大学, 医学研究科, 助教 (80826321)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 敗血症 / 敗血症性脳症 / 精神障害 / 制御性T細胞 / 脳内炎症 / 不安様行動 / T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの敗血症生存者で長期的な精神障害が認められる。これは敗血症性関連脳症に伴う神経炎症が一因と考えられているが、精神障害の発症および治癒との関連性については不明な点が多い。申請者は、これまでの研究において、敗血症の亜急性期においてマウスの脳内にT細胞が増加し、うつ様症状の回復に重要であることを示した。また、その一部は脳内の炎症を抑制する制御性T細胞であることを明らかにした。本研究は、敗血症性関連脳症およびそれに伴ううつ様症状の増悪と回復におけるT細胞の生理学的意義を、制御性T細胞を中心に明らかにすることで、現状、問題となっている敗血症患者の長期予後の改善に貢献することを指向した研究である。
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研究成果の概要 |
敗血症性脳症とそれに伴う精神疾患の回復機序に、脳に増加する制御性T細胞(Treg)が関与することを示した。本研究の敗血症マウスモデルは、敗血症誘導から20日程度で不安様行動が回復した。敗血症誘導15日目以降、Tregが脳内に増加し、60日目まで増加を続けた。このTregはKi67が低かったことから、脳外から浸潤してきたと考えられた。細胞表面のケモカイン受容体を解析するとCXCR3が高発現しており、同時期において、脳内にCXCL-9/-10 mRNAが増加した。以上の結果から、CXCR3/CXCL9/-10 axisにより脳に浸潤したTregが、敗血症に伴う精神疾患の回復に寄与したと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
敗血症生存者が増加する一方で、退院後の社会復帰は約半数であることが示された。彼らに認められる精神障害などの神経障害は、敗血症に伴う敗血症性脳症が原因とされてきたが、予防することは難しかった。また、ミクログリアが治療ターゲットとして研究されてきたが、奏功していないのが現状であった。その一方、本研究では神経障害の回復機序を明らかにすることで、敗血症生存者のスムーズな社会復帰に繋げることを目的とした。敗血症後、脳内に制御性T細胞が増加することを初めて明らかにし、それが脳の恒常性の回復に寄与することで、神経障害を緩和することを示唆した。
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