研究課題/領域番号 |
21K16580
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
藤井 智子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60621381)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 持続血液透析 / 急性腎障害 / 急性腎傷害 / 低用量 |
研究開始時の研究の概要 |
集中治療を要する重症患者のうち、持続血液透析を要する急性腎障害患者の致死率は3割を超える。日本で標準的に用いられている保険適応の透析量は諸外国の半分と少なく、透析治療が不十分である可能性がある一方で、透析量が多いと抗菌薬などの治療薬や栄養・電解質を過度に除去してしまう。また、不必要な透析液を用いることは医療経済上避けるべきである。よって本研究では、重症患者の持続血液透析において、日本の透析量(少)と海外の標準的な透析量(多)のどちらが優れているかをランダム化比較試験によって明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、重症患者の持続的腎代替療法において、日本の標準的な透析量と国際的に標準的な透析量がおよそ2倍の違いがあることについて、いずれが優れているかを明らかにすることを目的としている。 前年度に実施した研究によって、透析液量以外にも持続血液透析の実施に影響を与える可能性のある透析関連要素として抗凝固薬の選択も透析効率に大きく影響することがわかった。この結果も含め、持続的腎代替療法に含まれる修飾可能な要素の多さを鑑み、本研究で透析量の違いが患者予後に与える影響を正しく評価するには、観察研究ではなくランダム化比較試験の実施が重要であることが確認できた。 今年度はランダム化比較試験の実施に先立ち、予備研究として透析量に関する観察研究を実施した。日本の透析量での持続血液透析のみを受けた患者と、国際標準量での持続血液透析を受けた患者のデータを比較した。酸塩基平衡の変化スピードの違い・臨床的な転帰の違いを観察し、これらの結果に基づき、ランダム化比較試験の研究計画を精緻なものに修正することができた。 このランダム化比較試験は多施設共同試験としての準備が進められており、国際学会等の会議で国外の専門家からも実施に際しての重要な意見を集めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までは新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、重症患者診療の負担増加や対面会議の制限のために臨床試験の準備に制約があった。しかし、今年度に入り、医療の現場への影響が改善し、感染対策のための規制が緩和されたこともあり、臨床試験の計画や会議等が進んだ。昨年度予定したパイロット試験は上記の状況を鑑み、実現可能性が高く詳細なデータが得られる観察研究に切り替え、その結果も得られたため、研究計画は精緻なものとなり、開始の準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
多施設共同ランダム化比較試験の実施計画が定まったため、実施段階に移る。
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