研究課題/領域番号 |
21K16584
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
今枝 太郎 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30598230)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 心停止後 / 心停止後症候群 / 神経学的予後予測 / 心停止 / 神経学的予後 / 網羅的タンパク質解析 |
研究開始時の研究の概要 |
心停止後患者の神経学的予後を予測するために特定のバイオマーカーが研究されてきたが,未だ満足できる精度とは言えない.その理由のひとつとして,心停止から自己心拍が再開した後に生じる心停止後症候群(脳を含む全身の臓器の虚血/再灌流障害)の詳細な病態解明が十分に進んでいないことが挙げられる.そこで網羅的タンパク解析(プロテオミクス解析)を用いた,血液中の心停止/心停止後症候群に関わる新規物質の発見を目的とする研究を計画した.まずは,動物実験を用いて,心停止後の神経学的予後を評価するバイオマーカーを導出する.その後,心停止後患者を用いて,心停止後の神経学的予後を評価するバイオマーカーを検証する.
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研究成果の概要 |
心停止後の神経学的予後を,より早期により高い精度で予測可能なバイオマーカーの発見を目的とし,集中治療室へ入室した20歳以上の心停止後患者を対象として実施した.神経学的予後良好群(CPC 1-2)と予後不良群(CPC 3-5)の蘇生後1時間以内の血漿検体を質量分析装置を用いてタンパク質の網羅的解析を行なった.その結果, 予後不良群でのみ, Serpin B1とI-FABPが発見された. 続いてvalidation解析でこれらのタンパク質をELISA法を用いて測定したところ,神経学的予後不良群(n=31)は予後良好群(n=27)に比較し,両タンパク質ともに統計学的有意差をもって高値であった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年, 心停止患者に対する人工心肺補助装置を用いた蘇生術や脳低温療法を含む包括的な集中治療が,心停止患者の転帰改善に寄与しているとして注目されている.費用対効果や倫理的側面を考慮し,これらの高価な治療の適応を的確に判断する早期の神経学的予後予測の重要性が高まっている. 今回, 高性能プロテオーム解析機器を用いて,心停止後患者の神経学的予後をより早期に高い精度で予測可能なバイオマーカーになり得るタンパク質を明らかにした. また, これらタンパク質が心停止後の神経学的予後に大きく関与する全身の臓器の虚血/再灌流障害により引き起こされる心停止後症候群の病態解明にもつながるものと考えている.
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