研究課題/領域番号 |
21K16591
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
京 道人 広島大学, 医療政策室, 特任助教 (90773937)
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研究期間 (年度) |
2022-12-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | COVID-19 / ARDS |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した、5-20%の感染者は集中治療室での加療を必要とします (Guan WJ, et al. NEJM 2020)。病態が特異的であるが故に、その病態はいまだ不明な点が多く、有効な治療法も限られています。 本研究では特に細菌叢に由来するタンパクに着目し, COVID-19患者さんの血液や喀痰検体を用いて、特徴的なサイトカインの同定及び、そのサイトカインを誘導する関連因子の同定を目的とします。本研究の成果は、下気道細菌叢とCOVID-19病態の関与を明らかにし、新規治療法開発としての標的分子の同定につながる可能性があります。
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研究実績の概要 |
本年度は確保できた血液検体を用いたバイオマーカーの測定を継続した。COVID-19の病態の中心であるサイトカインストームを評価するため、IL-6の測定を行っていたが、さらにTNFに関連するpathwayの評価も必要であった。TNFaは血中から速やかに消失し測定が困難である症例もあったため、TNFR1を用いて測定を開始している。以上でサイトカインストームや血管内皮障害、肺胞上皮細胞障害を評価できる状況が整う予定である。また、計画していたLC-MS/MS解析の準備を行った。タンデムマスタグを使用したコントロールの解析ではある程度の数のタンパクを同定できたものの、同定できたタンパクの数は十分とはいえない。さらに同定できたタンパクの分子量が多く、目的とするタンパクを十分同定することができていない。そのため、測定方法を改良する必要があり、現在条件検討を重ねている。また、得られたデータを解析するためのコンピュータ関連の整備も必要であり、その環境整備も行なった。データ解析は特殊なソフトウェアを使用する必要があり、その解析技術を身につける必要があり、サンプルデータなどを用いて、解析手順を確認した。これらにより次年度に得られたデータをスムーズに解析することが可能となると考える。COVID-19の病態は徐々に明らかになってきているものの、その他の原因のARDSとのメカニズムの違いはまだ十分でなく、これらの解析により、新規性のある論文発表につなげることが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
留学しており、帰国後から間もないため当初の予定から進捗が遅れている
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19患者の血液検体は当初の予定通り十分収集できた一方で、感染対策の問題からBALF検体を収集することが困難であった。血液検体は十分収集できたことから、当初予定していたLC-MS/MS解析を血液検体に適用し、COVID-19患者と非COVID-19患者の病態形成の違いを明らかにしていく。
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