研究課題/領域番号 |
21K16595
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
丸橋 孝昭 北里大学, 医学部, 講師 (10772478)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | REBOA / 出血性ショック / 遮断率 / 後方光散乱強度 / 電子光学 / 後方散乱光強度 / 重症外傷 / 大動脈遮断 / モニタリング |
研究開始時の研究の概要 |
Resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta (REBOA) は、血管内からバルーンで大動脈を遮断できる簡便性・低侵襲性から、重症出血性ショックの蘇生法として急速に普及しているが、必ずしも転帰の改善には結びついていない。より効果的かつ安全にREBOAを使用するには、切迫した状況下でも簡便に利用できる中枢側・末梢側圧およびバルーン遮断率のモニタリング法が必要である。本研究では、ブタ出血性ショックモデルを用いて、電子光学的手法を応用したリアルタイム連続血圧モニタリングおよびバルーン遮断率の定量化を確立・検証する。
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研究実績の概要 |
本研究では、出血性ショックに対して合併症なくREBOAを管理するために、遮断率をリアルタイム定量化するための研究と新規デバイス開発を行った。まず、ブタ大動脈を用いたex vivo実験および生体(ブタ)を用いた動物実験により、REBOAの遮断率を定量化するためのアルゴリズムを構築した。その結果、我々の開発した新しいREBOAカテーテルを用いて、ZoneⅢにおける遮断率55%~100%の範囲では、誤差15%未満で遮断率を推定できることを証明できた。また、多波長光を組み合わせることで、その吸光度の違いを利用し、さらに精度を上げられる可能性がわかった。ただし、ZoneⅠでは、血流によって正中軸がずれること、バルーンの形状が変化すること、などからやや精度にバラつきが生じることがわかった。新規デバイス開発にあたっては、こういった問題を解決するためのカテーテル強度の工夫が必要であり、今後さらに試作を繰り返し生体を用いて検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでのex vivo実験で理論的基盤はすでに確立している。遮断率推定アルゴリズムもすでに構築されており、精度をさらに上げるための試作と生体での検証を繰り返しながら、新規デバイス開発を行っている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り新規デバイス開発は順調に進行しているものの、ZoneⅠ遮断の際の精度のバラつきの原因検証と解決するための試作を重ねていく予定である。また、もう一つの研究課題である遮断中枢圧と遮断末梢圧を同時に測定できる新たなデバイスも開発する予定であり、動物実験によりデバイス開発と同時に進めていく予定である。
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