研究課題/領域番号 |
21K16629
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋本 洋章 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (50770674)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 嚥下 / 頭蓋内脳波 / High γ活動 / Phase-amplitude coupling / 頭蓋内電極 / てんかん / 嚥下障害 / ニューロモデュレーション / 脳律動解析 / 脳活動解読 |
研究開始時の研究の概要 |
嚥下(飲み込み)機能障害は高齢者だけでなく脳神経を患う患者にも合併し、誤嚥性肺炎という肺炎を引き起こすことで患者の生命に大きく影響する。嚥下障害はリハビリテーションや食べ物の形の工夫などで対応されているが、根治療法はない。超高齢社会の日本では今後、嚥下障害者数の増加が見込まれているものの、生命に大きく影響する嚥下障害に対し根本的な治療法・対処法がないことが深刻な問題である。そこで脳神経外科手術により留置される頭蓋内電極を用いて嚥下に関連した脳活動を解析し、嚥下機能回復に寄与する新たなニューロモデュレーション手法(神経調整手法)を確立することを目的に本研究を立案した。
|
研究実績の概要 |
てんかん手術のため一時的に頭蓋内電極を留置した患者を対象に水の自由嚥下を指示し、その際の頭蓋内電極信号を計測したものが、計8名分あり、昨年度と同様に継続的に解析を行なっている。また、大阪大学脳神経外科の協力を得て、2022年5月に新規に嚥下時の頭蓋内脳波を計測する機会を得た。さらに、本患者には頭蓋内電極を使用した機能マッピングも実施されており、この機能マッピングの結果と、頭蓋内脳波から計測された周波数解析の結果を比較することにより、嚥下時脳機能の一層の理解が進むことが期待される。 またパーキンソン病に対する脳深部刺激療法(DBS)時には微小電極記録(MER)をもちいて大脳深部核から計測される脳律動変化を計測している。2007年から2022年までに実施されたMERの結果合計195例のデータをまとめ、Data baseを作成することができた。また、DBSの刺激装置であるPercept PCはクローズドループシステムであり、DBS後にも脳深部核の活動を計測することが可能である。2020年から2022年にかけて7名の患者に対して、DBS術後にPercept PCから脳活動を計測することができた。これらの計測結果を元にし、今後も解析を継続していく。 嚥下機能を回復を目指したニューモロデュレーション手法の実現のための基礎研究を継続して行なっており、特に本年は、第52回日本臨床神経生理学会学術総会にて嚥下に関連した脳活動に関して発表する機会を3回得ることができ、知識の一層の普及に努めることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脳深部刺激療法(DBS)による計測結果をData base化することができたが、十分な結果を得るためには一層の解析が必要である。
|
今後の研究の推進方策 |
パーキンソン病のDBS手術から計測されたMERの結果をもとにData baseを作成したが、今後はその解析を行い、嚥下機能との関係を精査していく。
|