研究課題/領域番号 |
21K16632
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤井 謙太郎 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (40799318)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Glioma / 腫瘍幹細胞 / 分化型腫瘍細胞 / 50%阻害濃度 / 薬剤併用 / 膠芽腫 / 膠芽腫幹細胞 / 分化型膠芽腫細胞 / グリオーマ / 薬剤スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
膠芽腫はきわめて予後不良で治療困難な腫瘍である。膠芽腫組織内では、未分化な膠芽腫幹細胞(GSC)が分化することで分化型膠芽腫細胞(DGC)が生成される。これまで、腫瘍形成、治療抵抗性、再発におけるGSCの重要性が注目を集め、GSCを標的とした治療戦略の研究が盛んに行われてきた。しかし、GSCがDGCと協調して膠芽腫の進展に寄与することが報告され、腫瘍細胞の不均一性に対応した治療戦略が必要であることがわかってきた。本研究の目的は、GSCとDGC、それぞれに特徴的な遺伝子発現パターンを基盤とした抗がん剤の網羅的スクリーニングを行い、DGC、GSCを同時標的とした薬剤併用療法を構築することである。
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研究実績の概要 |
前年度までの決定した併用治療薬剤A(GSC target)と薬剤B(DGC target)をヒトグリオーマ由来細胞株に投与し、無治療、薬剤A、薬剤Bの単独投与、併用(薬剤A,薬剤B同時投与)の4群の細胞株を作成し、RNA-sequencingに提出、発現が変化した遺伝子と、それに伴い変動しているPathwayを解析した。その結果からPI3k-Akt-mTOR pathwayとCell cycleに関するpathwayが薬剤処理により抑制されることが確認され、これらの結果を細胞から抽出したproteinでWestern Blottingでも示した。 In vitroにおいては上記に加え、単剤および薬剤併用による細胞周期の変化と、Apoptosisの増加を確認した。 In vivo実験では、ヌードマウスにVitroで使用したものと同じ細胞株を移植後、無治療、薬剤A、薬剤Bの単独、および併用の4群に分けて治療を行った。治療後、脳組織を採取しH.E染色と免疫染色を実施し、治療が腫瘍組織に及ぼす影響を評価した。その結果、薬剤投与による腫瘍サイズの縮小、Cell Cycle停止に伴う増殖能の低下(KI-67陽性率の低下)、Apoptosis細胞の増加(Cleaved- Caspase3陽性細胞の増加)を認めた。またこれらの組織で認めた変化は単剤治療と比較して併用療法でより強化されていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に報告したIn silicoおよびIn vitroの結果を基に、In vitroではRNA-sequencing、Cell cycle analysis、Apoptosis assayを、In vivoでは薬剤併用による抗腫瘍効果の強化を認め、仮説に基づいた薬剤併用効果が実証されたため。
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今後の研究の推進方策 |
得られた研究結果を基に論文報告を作成中である。 また、得られたRNA-sequencingの結果に基づいて、その他の治療薬剤、治療機器との併用も含めた新規治療の開発を検討していく。
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