研究課題/領域番号 |
21K16635
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤本 隆史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00712085)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 血液脳関門 / 脳転移 / アルツハイマー / in vitro model / ペリサイト / スタチン |
研究開始時の研究の概要 |
がんは本邦における死亡原因の第1位を占めている、脳転移を来すと特に重篤であり、基本的に根治は困難である。これは脳に血液脳関門という障壁があり、薬剤の到達などが困難なためである。 今研究ではこの血液脳関門と脳転移細胞との関連性を明らかとし、灌流型3次元BBBモデルを用いて検証し、腫瘍が脳へ転移した場合でも有効な薬剤などを発見・評価することが目的である。
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研究実績の概要 |
灌流型3次元血液脳関門(BBB)モデルを用いてまずは脳血管内皮細胞単層を目標とし、異なる転移性を呈するがん細胞(肺がんおよび乳がん細胞)由来のエクソソームを用いてBBBへの影響をTEERおよびTJタンパク質解析を用いて評価した。結果は明らかな有意差は認めなかったが、高い転移性を有する乳がん細胞由来のエクソソームでBBB機能を低下させる傾向を認めた。この結果をもとに、乳がん細胞より初代培養細胞株を分離を目指し、Cell lineの挙動を参考に乳がん細胞の初代培養株の分離を行った。 乳がん細胞の分離は比較的容易に行えた。このがん細胞をペリサイト・アストロサイトを播種した共培養モデルに反応させ細胞が障害的に作用することを確認した。 培養モデルは継代した場合著しく増殖能が低下することを確認しており、今後初代培養株の機能の維持に関して検討をしていく。 また、がん細胞の樹立が難しい場合にエクソソームおよびヒト血清がBBBモデルへの影響を確認することによって実験が代替できると考え、ヒト血清のBBBモデルへの影響を比較した。ヒト血清はBBBモデルに対し侵襲性に影響を及ぼすことが確認された。 この実験過程で多くのヒト血清を用いて、加齢がBBBモデルへの影響を変化させることが示唆された。この結果をもとにヒトの血清が加齢に伴い変化することを確認するためにpoolされているヒト血清を用いてBBBモデルへの反応を確認した。 この結果はPNIRSにて報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
転移性細胞の樹立に関しては十分な細胞の獲得が難しいが、乳がん細胞の樹立には成功しており、今後転移性脳腫瘍細胞の樹立は可能と考える。
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今後の研究の推進方策 |
ハンガリー、アメリカ合衆国との共同実験においては今後も各国での実験を進める。 また、エクソソームのみではなく、ヒト血清を用いた実験などによりがん細胞樹立より簡易的にBBBモデルへの影響を検証できないか確認する。
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