研究課題/領域番号 |
21K16643
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56010:脳神経外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
千代田 大尚 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 特別研究員 (20886155)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | ペリサイト / 脳梗塞 / 炎症応答 / 血管内皮細胞 / 超急性期 / 脳梗塞超急性期 |
研究開始時の研究の概要 |
脳梗塞後の梗塞巣では、神経細胞の損傷をトリガーとして炎症反応が惹起する。しかし、神経損傷が如何に感知され炎症反応が惹起されるのか、十分には明らかにされていない。これまでに炎症反応を誘発する神経細胞代謝障害やリポポリサッカライド刺激が、脳内では毛細血管周囲のペリサイトで最も良く感知されることが報告された。そこで、炎症反応の調節因子であるNF-κB経路の活性化とその下流のサイトカインの発現が、脳梗塞超急性期にペリサイト選択的に生じるかを明らかにし、ペリサイト選択的NF-κB経路遮断マウスを用いた解析を通して、『脳梗塞時にペリサイトが神経損傷のセンサー細胞として機能する』という仮説の検証をおこなう。
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研究成果の概要 |
脳虚血後の炎症反応に対する神経細胞やグリア細胞、免疫細胞の役割の理解は進んできたものの、毛細血管を被覆するペリサイトの関与は十分には明らかにされていない。本研究では、一過的脳虚血後の急性期における炎症反応に対するペリサイトの役割について解析を進めた。その結果、脳虚血に応答した急性期のNF-κBの活性化はペリサイトに加え血管内皮細胞において選択的に誘導され、血管系が脳虚血に対する初期センサーとして機能する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ペリサイトや血管内皮細胞が脳虚血傷害に対して高い感受性を示すこと明らかにした点で学術的意義があると考えられる。脳梗塞は高い死亡率や発症後の神経障害が大きいものの効果的な治療薬は十分とは言えず、本研究成果で得られた虚血センサーとしての血管機能は、脳梗塞治療薬開発に対する新たな方向性を示した点で社会的意義があるものと考えられる。今後、より詳細な虚血感知機構や、炎症進展ならびに神経障害誘導機構を明らかにしていくことで学術的な発展に加え、新たな治療薬開発に貢献するものと期待される。
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