研究課題/領域番号 |
21K16658
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
居石 卓也 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40896700)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 変形性膝関節症 / 疾患修飾治療薬 / GRK5 / Amlexanox / ヒアルロン酸 / Osteoarthritis |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症(以下OA)の軟骨変性進行を抑制できる有効な治療法は、現在までのところ確立されていない。本研究の先行実験において、G protein-coupled receptor kinase 5(以下GRK5)がOAの発症と進行に深く関与し、その阻害薬の関節内投与による変性抑制効果を証明した。しかしながら、GRK5のOA病態形成における働くメカニズムは解明できていない。本研究では、網羅解析手法を行いOAにおけるGRK5の機能解析を進めるとともに、阻害薬を原薬とした疾患修飾治療薬の創出へ向け、関節内投与薬の製品候補を新規に開発し、各種動物OAモデルを用いて濃度や溶媒についての効果最適化を行う。
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研究成果の概要 |
GRK5阻害薬を原薬としたOA疾患修飾効果を発揮する関節内投与治療の開発を目指した。その過程で、Amlexanoxの濃度の最適化・用量を検証し、さらにAmlexanoxの溶媒としてヒアルロン酸を用いることで、単剤よりも軟骨保護の相乗効果があることを明らかにした。 変形性膝関節症の病態形成には半月板の変性が関連していることは報告されており、半月板変性にGRK5が関与しているかを検証した。結果、ヒト半月板やマウス半月板細胞を用いた実験系において、GRK5は半月板細胞にanabolic、catabolic作用を有していないことが示唆される結果であった。そのため、これ以上の検証には進まなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性膝関節症は膝関節の軟骨が変性摩耗する病気で、高齢者の生活の質を低下させる代表的な疾患である。現状の薬物治療は、内服(NSAID、非麻薬性鎮痛薬)と関節内注射(ヒアルロン酸、ステロイド)があるが症候改善薬であり、疾患修飾治療薬はない。 Amlexanoxはすでに他科領域において安全性が確認されており、生産コストの面でも臨床応用しやすいという利点がある。また全く違う分野の疾患の治療に役立てる試みは創造性に富んでいる。GRK5阻害薬(アンレキサノクス)とヒアルロン酸の混合によるOA進行抑制効果は相乗的であり、疾患修飾性OA治療の候補としてさらなる検証が必要である。
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