研究課題/領域番号 |
21K16663
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
白石 康幸 自治医科大学, 医学部, 助教 (50646338)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | IκB-ζ / 脊髄損傷 / 炎症 / 転写因子 |
研究開始時の研究の概要 |
コンディショナルノックアウトマウスにおいて脊髄損傷モデルを作成し、血液中の免疫細胞に発現したIκBζが脊髄損傷の2次損傷に与える影響を明らかにしたい。中枢神経の免疫担当細胞の一つであるアストロサイトにおいてIκBζが欠損したマウス(GFAP-Cre:Nfkbiz fl/fl)を用いて、アストロサイトに発現したIκBζの機能を明らかにしたい。GFAP-Creマウスは購入可能であり、既に樹立したマウスとの交配で新たに作成することが可能である。IκBζを介した脊髄損傷後の免疫応答を、血液細胞とアストロサイトで個別に解析することで、2次損傷におけるIκBζの役割をより詳細に明らかにできると考えている。
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研究成果の概要 |
マウス脊髄損傷モデルを用いてIκBζの欠損が脊髄損傷後の二次損傷に与える影響を検証した。脊髄損傷後の後肢運動機能は KOマウス群で有意に改善した。脊髄中および白血球中のNfkbizのmRNA 発現量は脊髄損傷後12時間をピークに上昇し、その後、緩やかに減少することが確認された。脊髄損傷後12時間の脊髄中では、IL-4、IL-10のmRNA発現量がKO群で有意に高く、骨髄移植実験では、KO骨髄を放射線照射したWTマウスに移植した群のスコアが有意に良好であった。IκBζの欠損は、炎症反応のバランスを抗炎症方向、組織再生方向にシフトさせることで、脊髄損傷後の運動機能回復を促進することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
IκB-ζと脊髄損傷についての報告はなく、本研究は新規性の高い研究であったと考える。本研究では、血液細胞におけるIκBζの欠損は、炎症反応のバランスを抗炎症方向、組織再生方向にシフトさせることで、脊髄損傷後の運動機能回復を促進することが示唆された。生体内でのIκBζの働きは未だ十分に解明されていないが。今後IκBζに対する研究がさらに進むことにより、細胞内のmRNA発現を抑制するsiRNAのような核酸医薬品をはじめとした、血液中のIκBζをターゲットとした脊髄損傷に対する新たな治療法が開発されることが期待される。
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