研究課題/領域番号 |
21K16670
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
田宮 大也 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, リハビリテーション科 部長 (70811686)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | Sarcoma / Ferroptosis / ferroptosis / sarcoma / 肉腫 |
研究開始時の研究の概要 |
悪性骨軟部腫瘍(肉腫)は難治性希少がんであり有効な化学療法が少なく新たな治療薬の開発が強く望まれている。近年がんの治療ターゲットとして注目されつつある鉄依存性細胞死ferroptosisは細胞内脂質の過酸化によって惹起されるnon-apoptoticなプログラム細胞死であるが、申請者の先行研究にて、非がん細胞や上皮性がん細胞と比較して、多くの肉腫細胞株では鉄取り込み亢進とferroptosis高感受性を明らかにしている。本研究では、各組織型により異なる細胞内代謝、鉄毒性回避機構を解明し、各肉腫に適応したferroptosis誘導療法の可能性を模索する。
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研究成果の概要 |
本研究では肉腫に対して細胞内代謝を考慮したferroptosis誘発療法を検討した。興味深いことに細胞内2価鉄イオン含有量とferroptosis感受性とは複数の細胞株で調べたところ相関が乏しく、2価鉄イオンによる細胞障害性を抑制する細胞内鉄解毒作用が肉腫各組織型で機能していることが分かった。またNF-kBおよびPRMT5を介したPGC1aの制御がBNIP3L/NIX-mediated mitophagyをコントロールしferroptosis感受性に影響を与えることが明らかとなり、NF-kBおよびPRMT5のactivityがferroptosis感受性の指標となる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
希少がんである肉腫においては薬物治療の開発が進みにくい。その中において鉄依存性細胞死であるferroptosisに着目した本研究は肉腫における新たな治療法の開発を目指そうとするものである。ミトコンドリア機能に重要なPGC1aの調整に関与することが分かったNF-kBやPRMT5は肉腫を含めたがんでactivityの亢進が報告されており、ferroptosis感受性の指標となる可能性が示されたことで、各組織型での個別化医療への発展も期待される。
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