研究課題/領域番号 |
21K16679
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
牧野 紘士 富山大学, 附属病院, 助教 (50816022)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 椎間板 / 椎体終板 / c-Fos / 骨性欠損 / 脊椎 / 破骨細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎は主に椎間板と椎体によって構成される。椎間板の退行性変化は腰痛症や脊柱管狭窄症を、椎体の老化は骨粗鬆症性椎体骨折を引き起こす。しかし、椎間板と椎体の機能を同時に改善し得る治療法は未だ存在しない。我々は、T-5224が細胞外マトリックス代謝不均衡による椎間板変性と疼痛を抑制することを明らかにした。さらに近年、椎体終板に存在する破骨細胞の活性化が、疼痛を惹起する可能性が報告された。転写因子c-Fosは、破骨細胞の分化に必須である。本研究では、T-5224の椎体終板の多孔化抑制効果、骨量減少抑制効果、疼痛抑制効果を明らかにし、椎間板と椎体の機能を同時に改善し得る新規分子標的治療法の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、脊椎退行性変化と疼痛の制御を目指すにあたり、椎体終板の多孔化に着目し、その病態と分子標的薬による制御することを目指してきた。CT画像を用いた解析で、腰椎椎間板症患者の骨性終板に多孔化がみられることが分かった。椎間板の細胞外マトリックス代謝の不均衡を改善する効果を持つ選択的c-Fos/AP-1阻害薬の破骨細胞分化への影響を確認した。マウス骨髄由来幹細胞を破骨細胞へ分化誘導したものに、選択的c-Fos/AP-1阻害薬を加えることで破骨細胞への分化が抑制されることが明らかとなった。骨性終板の多孔化抑制に選択的c-Fos/AP-1阻害は有用である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに椎間板変性ならびに椎間板に関連する疼痛抑制効果および骨量増加効果を併せ持つ薬剤はなく、本研究でそれを示すことができれば、臨床応用も考慮されうる。脊椎退行性疾患患者における骨粗鬆症の合併例は稀ではなく、手術に至らない患者において、疼痛の軽減と骨量増加を期待できる治療法として確立することができれば、社会的利益は大きい。
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