研究課題/領域番号 |
21K16684
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮村 聡 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10897599)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 小児肘関節障害 / CT / 骨内部性状 / 軟骨構造 / 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎 / 小児肘関節周囲骨折 / 人工知能 / 骨内部微細構造 / 関節軟骨 / 三次元画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
臨床において現在も診断・治療上の課題が山積する小児肘関節障害を対象に以下の研究を遂行する。
①小児肘関節投球障害である上腕骨小頭OCDのCTデータから三次元骨モデルを作成し、骨内部性状(病変部の空間的広がりや軟骨下骨の骨密度変化など)を評価することにより、治療に直結する病態把握や予後不良因子の解明を進める。
②小児肘関節は未骨化軟骨を多く含み、通常CT画像では病変部の判別に難渋することが多い。小児肘関節周囲骨折を対象に軟骨病変の描出方法を確立し、結果を術中所見と照合することにより、診断精度を検証する。軟骨損傷の正確な把握は適切な治療選択を可能とし、成長障害等の重篤な後遺症の予防につながる。
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研究実績の概要 |
我々は、CT骨モデルを用いた骨・関節三次元解析システムを独自に開発し、関節キネマティクス研究や臨床へ応用してきた。その過程において、骨内部性状や軟骨構造などの質的要素を骨形態・関節動態と関連付けて評価することに成功した。病変部の質的評価は、疾患及び病態に応じた詳細な解析を可能とし、病期進行予測や病態把握につながる。この手法のさらなる応用を目指し、臨床において現在も診断・治療上の課題が山積する小児肘関節障害をターゲットとして以下の研究を行った。 ①上腕骨小頭OCDを対象とした骨性構造評価 野球肘として知られる上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)では、病変部の空間的広がりや不安定性を評価して病期・病態を正しく把握することが治療方針決定に際して重要である。本研究では、CTデータから三次元骨モデルを作成し、軟骨下骨の三次元骨密度分布を含む骨内部の性状分析を行った。病変部の空間的広がりや軟骨下骨の骨密度の変化を定量化することにより、病状進行の程度や疾患の病態把握等に有用な情報が得られた。本結果は、病変部の治療に直結する病態把握や予後不良因子の解明の一助となる。 ②小児肘関節周囲骨折の軟骨病変を描出に向けた取り組み 四肢関節疾患の画像診断において特に難渋するのが、軟骨の評価である。小児期の関節周囲の骨折では未骨化の軟骨成分にまで損傷が及んでいる場合があり、正確な診断に至らず不適切な治療が行われ、成長障害などの重度後遺症を残すことがある。本研究では、小児肘関節周囲骨折の軟骨病変を描出することを目的に、軟骨構造の三次元化を行った。まずは、実験検体(カダバー)を用いてMRIから三次元モデルを作成しその精度を検証したところ、高精度のモデルが作成できたことが確認できた。今後は、本手法を通常診療で用いられるモダリティへ拡張応用し、軟骨損傷部の画像識別能確立を図る。
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