研究課題/領域番号 |
21K16692
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
磯貝 宜広 国際医療福祉大学, 医学部, 助教 (50573341)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | メタボローム解析実施 / 検体収集完了 / 検体収集 / 解析条件の吟味 / 骨感染症 / バイオマーカー / メタボローム解析 / 代謝産物 |
研究開始時の研究の概要 |
整形外科手術において著しい機能障害を残す術後骨感染症は大きな課題の一つである。超高齢化に伴い抵抗力の弱い高齢患者が増えることでこの頻度も増加の一途を辿っている。また骨感染症に対する治療薬である抗生剤の治療効果は、他部位の感染症と比べて乏しく、早期診断・早期治療が特に重要である。しかし感染症初期では診断は困難であり、血液検査においても特異的な検査項目がない。我々は過去に動物実験にて新規の感染症検査項目の探索を行っており、今回ヒトにおける新たな感染症検査項目を探索することを目的とした。
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研究実績の概要 |
本研究では骨感染症患者の採血検体を用いてメタボローム解析を予定している。しかしメタボローム解析は食事などの背景因子による影響を受ける可能性があり、このことは本研究の結果に大きな影響を与える可能性がある。骨感染症は、特に今回解析対象としている術後感染とすると非常に頻度が低く、その検体は貴重なものとなる。そのためメタボローム解析については現在収集している検体を用いて一回で本研究を完了させる準備をすることが重要である。この対策として、手術部位、食事、手術後の日数、既往歴、年齢、性別などのバイアスを極力除外した検体に統一することが、より精度の高い解析につながると考えられる。 当該年度においては、コントロール群も含めた採血検体をさらに収集し、より精度の高い解析に耐えうる検体を確保した。また本年度は複数の学会参加において骨感染症および、本研究にてバイオマーカーとして同定されることが予想されるTCAサイクルやスフィンゴ脂質などに関する最新の知見を得た。メタボローム解析は結果のデータ量が膨大となり、その結果の解釈をおこなうことも本研究の重要な要素であるため、知見のアップデートはその一助となることが期待される。 また上記のような適切な検体選別をおこなうため、メタボローム解析に秀でた企業・研究者とミーティングをおこない、最も再現性の高い条件を設定した。2022年度は検体収集は完了し、2023年3月にメタボローム解析を実施した。今後は解析結果の分析をおこない、学会発表・論文化をすすめていく予定である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では骨感染症患者の採血検体を用いてメタボローム解析をおこなう。骨感染症は、特に今回解析対象としている術後感染とすると非常に頻度が低く、その検体は貴重なものである。また2022年度はこのメタボローム解析の精度を高めるため、その検体の収集条件を吟味検討した。その結果2022年度をもって検体収集は完了することができた。 2023年3月に検体を用いたメタボローム解析を実施し、解析結果は2023年5月に判明した。その結果内容から学会発表・論文化を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
メタボローム解析は結果が非常に膨大なデータ量となるため、解析にも非常に時間と検討を要することが予測される。本年度はこの結果解析をおこない、順次学会・論文などで公表していく予定である。 過去のわれわれの動物実験の結果から推測するに、非常に新規性の高い研究結果となる可能性が高い。その場合は同定されたバイオマーカーの取り扱い、解釈については学会や論文などで一定の評価・査読を受けることで、さらなる研究の発展の一助となることが期待される。また同定されたバイオマーカーの再現性の検証も並行しておこなっていく予定である。
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