研究課題/領域番号 |
21K16708
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
惠谷 悠紀 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60898930)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 変形性関節症 / NF-κB / ペプチド製剤 / 軟骨保護 / MTI-Ⅱ / NF-kB阻害ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会において要介護・要支援に至る最多の原因は運動器の障害であり、その中でも変形性膝関節症の患者数は約2530万人と最多を占め、かつ増加傾向である。既存の鎮痛剤の内服・外用や、ヒアルロン酸関節内投与は一定の鎮痛効果が認められるが病状の進行抑制には効果が不十分であり、ステロイド関節内投与は軟骨壊死の懸念があることより新規治療薬の開発が待望されている。MTI-Ⅱペプチドは先行研究でステロイドより強い抗炎症作用を示したが、ステロイドが有するこれらの副作用を惹起しないことが確認された。本研究は、変形性関節症モデル動物に対しMTI-Ⅱペプチドの関節内投与を行いその効果を検討するものである。
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研究成果の概要 |
①内側半月板と不安定化する処置により、術後8週時点でマイクロCTでの関節面骨硬化像と組織標本での関節軟骨の摩耗が確認された。この内側半月板不安定化モデルマウスに対しMTI-Ⅱペプチドを関節内投与したが、注射部位を中心とした滑膜炎など軟部組織の炎症反応を認め、軟骨組織の保護作用は認められなかった。 ②軟骨細胞株ATDC5細胞にLPSを添加することで軟骨蛋白分解酵素であるMMP-3、MMP-13が上昇した。そして、10ng/ml LPSにMTI-Ⅱペプチド3mg/mlを加え同様に24時間培養したところMMP-3、MMP-13の発現が低下した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢化社会において変形性膝関節症の患者数は約2530万人を数え、かつ増加傾向である。既存のNSAIDsの内服・外用や、ヒアルロン酸関節内投与は一定の鎮痛効果が認められるが病状の進行抑制には効果が不十分であり、ステロイド関節内投与は軟骨壊死の懸念があることより新規治療薬の開発が待望されている。転写因子Nuclear factor kappa B(NF-κB)は変形性関節症においては疼痛や病状を悪化させる。本研究は新規開発されたNF-κB阻害ペプチド:MTI-Ⅱペプチドの効果を検討した。MTI-Ⅱペプチドは軟骨分解酵素の発現を抑制しており、変形性関節症予防の新規治療法として期待される。
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