研究課題/領域番号 |
21K16716
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
田澤 諒 北里大学, 医学部, 助教 (30749883)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | レプチン / 腱板断裂 / 炎症性サイトカイン / 軸索伸長制御因子 / Leptin / コレステロール / 肩峰下滑液包 / 疼痛 |
研究開始時の研究の概要 |
腱板断裂は60歳以上の約30%に生じるが、その疼痛機序は明らかになっていない。腱板断裂による肩関節痛は患者の生活の質、日常生活動作を著しく低下させるため、疼痛機序解明は重要である。腱板断裂におけるレプチンを介した疼痛機序を明らかにすべく1.ラット腱板断裂モデルを用いてレプチンと疼痛との関連性を検討する。手術時に腱板断裂患者から臨床検体を用いて、2.肩峰下滑液包におけるレプチン発現と疼痛、疼痛関連因子、炎症性サイトカインとの関連性、3.レプチンによる炎症、疼痛関連因子制御機構の解明を行う。
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研究成果の概要 |
腱板断裂におけるレプチン(leptin)の動態とその疼痛への関与を検討した。加齢および高脂肪食(HFD)ラットモデルを使用して、腱板組織におけるレプチンの発現動態を調査した。加齢ラットでは、中年期にレプチン発現がピークを迎え、高齢期には高い状態が維持されることが示唆された。HFDラットでは、血清レプチン濃度が増加する一方で、腱板局所におけるレプチン発現に有意差は認められなかった。しかし、RNA-Seq解析でAdipocytokineシグナル経路の亢進が確認された。腱板断裂モデルでは、レプチンとNetrin-1の発現が有意に上昇した。レプチンがNtn1を介して疼痛に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、腱板断裂後の疼痛メカニズムにおけるレプチンの役割を明らかにし、その結果として新たな疼痛緩和治療法の開発に寄与する可能性を示した点で学術的意義がある。特に、レプチンとNetrin-1の発現動態の関連性を明らかにしたことで、疼痛メカニズムの理解が深化し、将来的な研究における新たな標的が明らかになった。社会的意義としては、超高齢社会において増加する腱板断裂患者の生活の質向上に貢献できる点が挙げられる。本研究の成果を基に、新しい治療法が開発されれば、肩痛に苦しむ多くの患者に対する効果的な治療手段が提供され、医療費の削減や労働力の維持・向上にも寄与することが期待される。
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