研究課題/領域番号 |
21K16717
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
米本 圭吾 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (50894466)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | バイオフィルム / 黄色ブドウ球菌 / 人工関節感染症 / 接着因子 / 表皮ブドウ球菌 / インプラント感染症 / ブドウ球菌 / 感染危険因子 |
研究開始時の研究の概要 |
人工関節感染症は人工関節手術の重大な合併症である。高齢化により人工関節感染症も増加傾向であり社会問題となっている。菌体の集合体であるバイオフィルムが形成され、抗菌薬・免疫系に抵抗性をもつことが知られている。代表的な原因菌の黄色ブドウ球菌はバイオフィルム形成能が高い。その分子機構は不明な点が多く、病態の理解に至っていない。そのため人工関節感染症のバイオフィルムを検体として、発現している分子の評価を行う。また動物実験で免疫応答を調べる。患者背景を調査し発症の危険因子を明らかにする。本成果は接着因子を標的とした新規治療の開発、免疫応答の解明、術前の治療介入など画期的な人工関節感染症の対策に繋がる。
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研究実績の概要 |
人工関節置換手術の重大な合併症の1つに人工関節周囲感染症がある。人工関節周囲感染症は発症すると非常に難治性であり、頻回の再手術、抗菌薬の長期投与などが必要になる症例も多く、医療現場の脅威となっている。人工関節周囲感染症は、黄色ブドウ球菌をはじめとする病原細菌が人工関節の周囲に病原細菌の集合体であるバイオフィルムを形成し、感染に関与することがわかっている。一度バイオフィルムが形成されると、病原細菌は抗菌薬や宿主の免疫系に抵抗性を獲得し、難治性に変化することが知られている。病原細菌がバイオフィルムを形成するメカニズムは、実験室レベルでは様々な研究が行われている。しかし、人 工関節周囲感染症に関与しているバイオフィルムについて、不明な点が多い。そこで、実際に人工関節周囲感染症を発症した症例を研究対象とし、人工関節周囲感染症のバイオフィルム形成メカニズムの解明を目的とする。研究対象の人工関節周囲の感染部位からバイオフィルムを抽出し、分子生物学的な解析を行っている。また、研究対象から分離された病原細菌のバイオフィルム形成を様々な手法で解析を行っている。病原細菌の形成したバイオフィルムの立体構造の評価を行っている。またバイオフィルムの構成成分の解析を行っている。人工関節周囲感染症の発症に関与するバイオフィルムの形成メカニズムが明らかになれば、特 定の分子を標的とした新規の診断法や、新規の人工関節周囲感染症の治療法の開発に繋がる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象の症例は順調に集まっている。また、対象症例からえられた臨床検体の解析はおおむね順調に行うことができている。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象を順調に選定し、臨床検体を回収することが重要である。また、抽出されたバイオフィルムの分子生物学的解析を引き続き行う必要がある。また、分離細菌のバイオフィルム形成、病原性を引き続き解析する必要がある。
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