研究課題/領域番号 |
21K16723
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56020:整形外科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター) |
研究代表者 |
櫻庭 康司 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, その他 (00747579)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 関節リウマチ / 抗マロンディアルデヒド修飾タンパク抗体 / 破骨細胞 / 滑膜炎 / 細胞代謝 / 解糖系 / 自己抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
関節リウマチ(RA)は原因不明の慢性滑膜炎により破壊性の多関節障害を来す疾患である。生物学的製剤の登場で予後は劇的に改善したが、治癒症例は稀であり、不応例も認める。より疾患特異性が高い治療法の開発が望まれるが、それにはより詳細な病態理解・解明は欠かせない。RAには疾患に関連する自己抗体が複数報告されており、近年これら自己抗体の一部が破骨細胞分化促進や滑膜線維芽細胞活性化を直接誘導することが明らかとされた。本研究は、抗マロンディアルデヒド修飾タンパク抗体(抗MDA抗体)に注目し、破骨細胞分化や滑膜線維芽細胞へ及ぼす影響とそのメカニズムを解析して、新たなRAの病態を解明しようとするものである。
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研究実績の概要 |
RAには疾患に関連する自己抗体が複数報告されている。近年、これら自己抗体の一部が破骨細胞分化を直接誘導することが明らかとされた。本研究は、 RA関連自己抗体の1つである抗マロンディアルデヒド修飾タンパク抗体(抗MDA抗体)に注目し、破骨細胞分化へ及ぼす影響とそのメカニズムを解析して、新たなRAの病態を解明しようとするものである。 RA患者滑膜組織由来の抗MDA抗体はin vitroでヒトマクロファージの破骨細胞分化を亢進させる効果があり、マウス化抗体においてはマウス脛骨の骨量減少と骨梁減少を誘導した。 Fc領域を欠落したFab2断片のみでは破骨細胞分化は誘導されないため、リガンドはFcg受容体であり、さらに、サブタイプ別のFcg受容体阻害アッセイを施行したところ、Fcg受容体1型がシグナル伝達していることが分かった。 また、抗MDA抗体に刺激されたマクロファージの培養液中の酪酸が有意に上昇しており、解糖系阻害アッセイを行ったところ、抗MDA抗体の破骨細胞分化促進効果が阻害された。細胞内のextracellular acidification rate(ECAR)とoxygen consumption rate(OCR)も亢進しており、抗MDA抗体は解糖系と酸化的リン酸化など細胞内代謝全体を活性化していた。 RNAシークエンスを行ったところ、解糖系に関わるMYCの発現亢進を認めた。タンパクレベルでもMYC発現は上昇していた。また、同様に解糖系に関連のある低酸素誘導因子(HIF1a)のタンパク発現上昇も認めた。いづれも阻害アッセイで抗MDA抗体による酪酸産生誘導と破骨細胞分化誘導が阻害されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
メタボロミクス解析を行う予定であったが、試料の準備に手間取っているころ、解析依頼先の都合などにより遅延が続いていることなどにより終了できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
細胞代謝への影響について全体像を確認するために、質量分析装 置を用いたメタボロミクス解析を行なっていく予定である。
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