研究課題/領域番号 |
21K16727
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 広明 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50813250)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 前立腺癌 / がんエピゲノム / 去勢抵抗性 / クロマチン構造 / 去勢抵抗性前立腺癌 / 転写因子 / エピゲノム / アンドロゲン受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
前立腺癌においてはゲノム異常を軸とした網羅的解析や臨床応用が進む一方で、エピゲノムを標的とする治療開発が遅れており、その実現が強く望まれている。またNGSを用いた網羅的解析手法の発展・普及に伴い、複雑で情報量の多い分子生物学的研究が活発に行われているが、本邦の前立腺癌研究においてはエピゲノムに焦点を置いた網羅的解析研究は極僅かである。本研究ではAR依存性を軸に治療抵抗性獲得に伴うエピゲノム変化を網羅的に解析する。
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研究成果の概要 |
去勢抵抗性前立腺癌 (CRPC) で治療抵抗性獲得に応じて変化するエピゲノム情報や遺伝子群を同定するため、各種細胞株や各病態毎の患者由来組織から、網羅的統合解析を行なった。オープンクロマチン領域に着目すると、CRPCは大きく2群に大別され、各群を特徴づける転写因子候補を抽出し、機能解析を継続している。また、3次元クロマチン構造変化に着目したところ、CRPCでは不活性化から活性化へとコンパートメントシフトを呈している領域も特徴的であることが判明した。CRPCで発現上昇するメチル化酵素NSD2によりエピゲノム変化が生じ、この下流の重要遺伝子としてKIF18A遺伝子が重要であることを同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
前立腺癌は本邦においても欧米諸国においても男性罹患率上位の重要疾患であり、その治療抵抗性病態である去勢抵抗性前立腺癌に対する新規治療戦略の開発が望まれている。我々は前立腺癌の治療抵抗性獲得の分子機構について、エピゲノムの観点から解析を行なっている。自施設と公共データベースを用いた網羅的統合解析を行なっており、エピゲノムの観点からグローバルな新規知見が得られた点で、学術的意義が高いと考えられる。社会的に克服すべき治療抵抗性病態である去勢抵抗性前立腺癌に対する臨床応用へと繋がる、大きな社会的意義を有していると考える。
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