研究課題/領域番号 |
21K16735
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
広重 佑 久留米大学, 医学部, 助教 (50647782)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 精管間質細胞 / 射精障害 / FIB/SEM / 3D超微細構造解析 / 精管 / 間質細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
射精障害は男性不妊症の原因の1つであり、その解決は少子化の深刻な本邦において急務である。しかし、射精障害は性機能障害の中でも病態が不明な点が多く、未だ有効な治療法が確立されていない。ICCLC は平滑筋運動の調節に関与し、その異常は様々な臓器運動機能の障害を引き起こすことが知られている。本研究ではマウス精管におけるICCLC の免疫組織化学的解析に加えて、FIB/SEM を用いた3D 超微細構造解析を行う。さらに射精障害モデル動物との比較・検討を行うことにより、ICCLC の射精障害への関与を形態学的側面から明らかにし、射精障害の病態生理の解明に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
射精障害は男性不妊症の原因の1つであり、その解決は少子化の深刻な本邦において急務である。しかし、射精障害は性機能障害の中でも病態が不明な点が多く、未だ有効な治療法が確立されていない。精管間質細胞は平滑筋運動の調節に関与し、その異常は様々な臓器運動機能の障害を引き起こすことが知られていることから、いまだに有効な治療戦略が確立されていない射精障害の新たな治療ターゲットとなりうる可能性を秘めている。 本研究ではマウス精管における精管間質細胞の免疫組織化学的解析に加えて、FIB/SEM を用いた三次元超微細構造解析を行い、射精障害モデル動物との比較・検討により、精管間質細胞の射精障害への関与を形態学的側面から明らかにし、射精障害の病態生理の解明に貢献することを目指すものである。 昨年度に正常マウスの精管間質細胞における免疫組織学的解析および透過型電子顕微鏡による電子顕微鏡観察から得られた形態学的所見を元にFIB/SEMによる3D微細構造解析を行った。その結果、精管間質細胞は、広範に拡がる極めて薄いシート状の細胞質と複数の細胞突起を有していた。また、その細胞突起は細胞質と類似したシート状構造と棒状の構造の2種類の立体構造を持ち、上皮に平行に配置され、ギャップ結合を介して互いに接合していた。さらに、複数の球形の細胞外小胞様構造が精管間質細胞の周囲に頻繁に観察された。これにより、マウス精管固有層内のPDGFRα+ ICが、細胞突起を介した物理的相互作用および液性因子を含む細胞外小胞の授受によって、上皮と平滑筋細胞間の細胞間情報伝達に関与している可能性があることが形態学的に示唆された。 上記内容を第32回泌尿器分子細胞研究会において報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は既に射精障害を発症することが確認されているα1A 受容体KO マウスを用いて免疫組織学的解析および透過型電子顕微鏡による電子顕微鏡観察を行う予定としていたが、実験用に飼育していたマウスが伝染病に感染し、あらたにマウスを入手するのに時間を要したことから、疾患モデルを用いた実験を行うことができなかった。正常マウスを用いたFIB/SEMによる3D微細構造解析は予定通り遂行し、学会発表まで終了している。
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今後の研究の推進方策 |
疾患モデルにおける光学顕微鏡観察、透過型電子顕微鏡観察およびFIB/SEMを用いた三次元再構築を行い、正常マウスより得られた画像所見との比較・解析を行っていく予定としている。
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