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尿路上皮癌における循環腫瘍DNAによる不均一性の克服と個別化医療の構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K16741
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56030:泌尿器科学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

中野 剛佑  大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (00804410)

研究期間 (年度) 2024-01-17 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード上部尿路上皮癌 / 循環腫瘍DNA / 尿路上皮癌 / 個別化医療 / 不均一性
研究開始時の研究の概要

尿路上皮癌は典型的な腫瘍不均一性を有する疾患である。近年、がん遺伝子パネル検査が保険収載されたが、その恩恵を受ける症例はわずかである。これは、局所の癌組織の遺伝子情報では不均一性を反映できず、低頻度変異を検出できないことが原因と考えられる。これらを克服するマーカーとして、循環腫瘍DNA(ctDNA)に着目した。我々は尿路上皮癌患者の癌組織、血液サンプルから個別にDNA情報を取得することで、ctDNAの検出方法を確立する。また、薬物治療に対する効果予測、予後予測におけるctDNAの有用性を検証し、将来的にctDNA情報に基づいた個別化医療の構築を目指す。

研究実績の概要

我々は血中循環腫瘍DNA(ctDNA)がUTUCにおいて有用なバイオマーカーとなりうるかを検討するため、限局性及び転移性UTUC患者50例の未治療時点での血液サンプルを採取し、cfDNAと血球DNAを抽出した。また、手術及び生検で採取した癌組織からもDNAを抽出した。ThermoFisher scientificのOncomine Pan-Cancer Cell-Free Assayを用いて、cfDNAのターゲットシークエンスを施行したところ、50例中25例(50%)でcfDNA中に変異を検出した。変異遺伝子はTP53が最多で、次いでPIK3CA、FGFR3等が含まれていた。血球DNAのターゲットシークエンス、癌組織DNAの全エクソームシークエンスの結果と照合した結果、cfDNA中のTP53変異のうち19%はクローン性造血(CH)による偽陽性であった。また、癌組織DNA中の変異と一致したのは29%で、52%はcfDNA中でのみ検出された。CHによる偽陽性を除外した結果、50例中23例(46%)でctDNAを検出した。ctDNA陽性の23例のうち15例ではcfDNA中のctDNA分画が2%を超えていた。UTUCに対して根治手術を施行した43例では、術前のctDNA分画>2%の症例では0-2%の症例と比較して有意に全生存率、無再発生存率が不良であった。さらに、多変量解析の結果、無再発生存率に関する術前リスク因子のうち、ctDNA分画>2%のみが独立した予測因子であった。
これまでの研究でctDNAがUTUCにおける術前の予後予測因子として有用であることが明らかになった。今後は術後のctDNAによる微小残存病変の検出や、転移性UTUC患者に対する全身治療のモニタリングマーカーとしての有用性を検討する予定である。

報告書

(1件)
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 上部尿路上皮癌における周術期循環腫瘍DNAは予後不良群の同定を可能にする2021

    • 著者名/発表者名
      中野 剛佑
    • 学会等名
      第109回日本泌尿器科学会総会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-06-24  

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