研究課題/領域番号 |
21K16742
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
|
研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
篠原 麻由香 大分大学, 医学部, 助教 (30774666)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | decorin / 外尿道括約筋 / 尿失禁 / デコリン / 細胞外マトリクス / 尿道括約筋 / 細胞外マトリックス |
研究開始時の研究の概要 |
外尿道括約筋は、尿失禁を防止する機能をもった横紋筋であるが、加齢とともに減少することが明らかにされており、その機序解明と有効な治療の探索は喫緊の課題である。我々は世界で初めてヒト外尿道括約筋幹細胞を分離培養して不死化細胞株を樹立し、これまで加齢に伴う増殖/抑制因子の機構を明らかにしてきた。その中で、細胞外マトリックスのひとつであるdecorinが外尿道括約筋幹細胞において他の横紋筋よりも高発現していることを見出した。本研究はこのdecorinの機能解析を、特にヒト外尿道括約筋幹細胞と他の横紋筋の差異、個体差・性差に着目して行い、外尿道括約筋の増殖/再生を介した尿失禁の新規治療法の開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
まず、ヒト筋細胞不死化法(CyclinD1、CDK4、TERT遺伝子導入)にて不死化後、FACSにて横紋筋マーカーであるCD56陽性細胞を純化し、得た不死化ヒト外尿道括約筋細胞(US2KD)を使用した。 US2KDにリポフェクション法にてdecorin遺伝子を導入してHygromycineBでselectionを行い過剰発現株(US2KD/DCN)を作成し、Growth testを施行した。また、US2KD/WTとUS2KD/DCNを分化誘導し、横紋筋分化マーカ―であるMyosin heavy chain(MHC)の発現をRT-PCRおよびWestern blotting法で比較した。 Growth testでは、US2KD/DCNはUS2KD/WTと比較して有意に増加した。また、US2KD/DCNは分化誘導後、RT-PCRではUS2/DCNはUS2KD/WTと比較してMHC1の発現が有意に増加したが、MHC2の発現は減少していた。今後はUS2KDにおいてdecorinのノックダウン株を作成し、増殖分化過程における変化について検討する。
現在少ない数ではあるが複数の個体から採取した外尿道括約筋をもとにそれぞれ長寿化を行っており、hTERTのみを遺伝子導入し長寿化したヒト外尿括約筋でも実験をすすめているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
R3年度より大学医学部研究棟の改修工事が行われており、実験実習機器センターの機器の使用、細胞培養などが行える場所と時間が十分に確保できなかったため、実験計画に遅れが生じている。
|
今後の研究の推進方策 |
前年度までに確立できたヒト外尿道括約筋細胞株を用いて、decorinの関連因子の機能解析を行う。機能解析として、定量的RT-PCRによるmRNAの発現、western blottingや免疫組織化学による蛋白発現について他の横紋筋(肛門挙筋、腹直筋等)の差異を検証する。 またsiRNAを用いてdecorinをノックダウンさせた細胞において、筋分化や上流・下流因子の変化を検証する。
|