研究課題/領域番号 |
21K16746
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
黒部 匡広 国際医療福祉大学, 医学部, 講師 (30735949)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腹圧性尿失禁 / セロトニン陽性パラニューロン / 両側卵巣摘除モデル / 膣バルーン拡張モデル / 尿道組織 / パラニューロン / セロトニン / 尿道機能 / 括約筋 |
研究開始時の研究の概要 |
腹圧性尿失禁は高頻度でQOLの低下に直結するが、十分なエビデンスを有する治療薬が存在せず、病態の解明、新規治療薬の開発は喫緊の課題である。尿道には腺細胞と神経細胞に共通する特性を持つパラニューロン細胞が存在し、その中でセロトニン分泌能を持つものが尿道の機械的、化学的刺激の受容体であると推定されている。一方で尿道のセロトニン受容体は尿道収縮への関与が推定されているが、依然として不明な点が多い。
本研究では、尿道でのセロトニン陽性パラニューロンとセロトニン受容体を介した経路の活性化が尿道収縮の増強に重要な役割を果たしている、という仮説を基に、腹圧性尿失禁の病態解明と、新規治療法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
腹圧性尿失禁は高頻度でQOLの低下に直結する重要な疾患であるが、十分なエビデンスを有する治療薬が存在せず、病態のさらなる解明、新規治療薬開発は喫緊の課題である。尿道には腺細胞と神経細胞に共通する特性を持つ一群の内分泌・受容器細胞であるパラニューロン細胞が存在し、その中でセロトニン分泌能を持つものが尿道の機械的、化学的刺激の受容体として機能していると推定されている。一方で尿道組織に存在するセロトニン受容体は尿道の収縮反応への関与が推定されているものの、依然として不明な点が多い。本研究では、尿道でのセロトニン陽性パラニューロンとセロトニン受容体を介したシグナル経路の活性化が尿道収縮の増強に重要な役割を果たしている、という仮説を立て、複数の腹圧性尿失禁病態モデルラットを用いた病態解明と、新規治療法の開発を目的とする。初年度では動物実験モデル作成ならびに膀胱機能測定環境、RT-PCRの準備をすすめた。2つの腹圧性尿失禁病態モデルラット、両側卵巣摘除(ovariectomy;OVX)モデルラットと膣バルーン拡張(vaginal distention;VD)モデルラットの作成に成功した。昨年度は尿道基線圧の低下、尿道禁制反射圧の低下などの、腹圧性尿失禁病態モデルとしての表現型の再現性が確認できた。また摘出した尿道組織を用いたRT-PCRによる発現分子解析を行った。本年度はOVX群では尿道括約筋の萎縮を、VD群では線維組織の増加を確認した。さらにOVX群では筋芽細胞の誘導や筋再生に関与するMMP2の発現が低下する一方で、VD群ではcollagen 1a、3aや、炎症・損傷治癒などに関与するMMP9の発現の上昇が確認された。また蛍光免疫染色法を用いたセロトニン陽性パラニューロンの密度変化の解析を進め、OVXラットやVDラットの尿道組織ではその細胞数が減少している点を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行による反動で臨床業務が多忙となった。また昨年誕生した子供の保育のため、実験のために確保できる時間が減少した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、2つの腹圧性尿失禁病態モデルラット、両側卵巣摘除(ovariectomy;OVX)モデルラットと膣バルーン拡張(vaginal distention;VD)モデルラットの作成、データ収集、ならびに摘出した尿道組織を用いたRT-PCRによる発現分子解析を継続する。特にセロトニン合成酵素TPH-1の発現に着目し、解析を進めていく。また近年、尿道上皮の厚みと尿失禁との関連が注目されており、本実験系においても2つのモデルにおける尿道上皮の厚みの変化についても解析を行う。さらにセロトニン受容体アゴニスト、アンタゴニストを用いたorgan bathでの収縮反応の増強の有無を検討し、in vivoでの尿道灌流圧の変化を確認する予定である。
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