研究課題
若手研究
尿路上皮癌(膀胱癌および腎盂・尿管癌)の診断は尿細胞診、画像診断、侵襲を伴う膀胱鏡、尿管鏡下生検によって行われているが、感度、特異度ともに十分な状態ではなく、低侵襲かつ有効なバイオマーカーもない。弘前大学泌尿器科では網羅的質量解析により、血清イムノグロブリン(Ig)N型糖鎖構造変異による尿路上皮癌診断バイオマーカーを同定した。尿細胞診による診断精度を凌駕するバイオマーカーであったが、汎用性にかける質量分析法を使用するため、臨床応用を前に停滞していた。本研究では、Ig糖鎖を迅速に解析可能なキャピラリー電気泳動型迅速糖鎖解析装置を用いて尿路上皮癌N型糖鎖診断マーカーの臨床応用を目指す。
尿路上皮癌(膀胱癌および腎盂・尿管癌)の診断は尿細胞診、画像診断、侵襲を伴う膀胱鏡、尿管鏡下生検によって行われているが、感度、特異度ともに十分な状態ではなく、低侵襲かつ有効なバイオマーカーもない。弘前大学泌尿器科では網羅的質量解析により、血清イムノグロブリン(Ig)N型糖鎖構造変異による尿路上皮癌診断バイオマーカーを同定した。尿細胞診による診断精度を凌駕するバイオマーカーであったが、汎用性にかける質量分析法を使用するため、臨床応用を前に停滞していた。本研究では、Ig糖鎖を迅速に解析可能なキャピラリー電気泳動型迅速糖鎖解析装置を用いて尿路上皮癌N型糖鎖診断マーカーの臨床応用を目指す。令和3,4年度は、キャピラリー電気泳動 Ig N型糖鎖解析による尿路上皮癌診断マーカーの有用性の解明を試みた。弘前大学泌尿器科にて保存されている膀胱癌、腎盂・尿管癌、尿路感染症、健常血清試料および他の癌患者血清(各100検体以上 合計1312例)のキャピラリー電気泳動Ig N型糖鎖解析を実施した。得られた26種類のIg N型糖鎖定量データから、AIデータロボットにより、26種類のN型糖鎖濃度の変化を各糖鎖合成経路を加味した網羅的パスウェイ解析を実施し、尿路上皮癌で亢進、抑制されている糖鎖合成経路を同定し、尿路上皮癌を尿細胞診所見に関わらず高い精度で予測できる膀胱癌、腎盂・尿管癌の鑑別に特異的診断スコア構築した。令和5年度は、尿路上皮癌の再発予測に関連した糖鎖に関しても同様にAI網羅的パスウェイ解析を実施し、再発予測スコアを構築した。膀胱癌あるいは、腎盂・尿管癌が疑われ、採血、尿細胞診および尿管鏡検査を実施予定の患者で本研究に同意が得られた患者で前向き臨床性能試験を開始し、現時点で試験に参加した患者の予後データの最終アップデート待ちである。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
International Journal of Urology
巻: 30 号: 8 ページ: 649-657
10.1111/iju.15192
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巻: 113 号: 7 ページ: 2434-2445
10.1111/cas.15395