研究課題
若手研究
尿路上皮癌(膀胱癌および腎盂・尿管癌)の診断は尿細胞診、画像診断、侵襲を伴う膀胱鏡、尿管鏡下生検によって行われているが、感度、特異度ともに十分な状態ではなく、低侵襲かつ有効なバイオマーカーもない。弘前大学泌尿器科では網羅的質量解析により、血清イムノグロブリン(Ig)N型糖鎖構造変異による尿路上皮癌診断バイオマーカーを同定した。尿細胞診による診断精度を凌駕するバイオマーカーであったが、汎用性にかける質量分析法を使用するため、臨床応用を前に停滞していた。本研究では、Ig糖鎖を迅速に解析可能なキャピラリー電気泳動型迅速糖鎖解析装置を用いて尿路上皮癌N型糖鎖診断マーカーの臨床応用を目指す。
尿路上皮癌(膀胱癌および腎盂・尿管癌)の診断は尿細胞診、画像診断、侵襲を伴う膀胱鏡、尿管鏡下生検によって行われているが、感度、特異度ともに十分な状態ではなく、低侵襲かつ有効なバイオマーカーもない。本研究では、キャピラリー電気泳動型迅速糖鎖解析装置を用いてイムノグロブリン(Ig)分画の26種類N型糖鎖を定量し、AIデータロボットを用いた網羅的パスウェイ解析により尿路上皮癌の診断あるいは再発予測スコアを構築した。後方視的解析から、構築した診断スコアは、AUC 0.95以上、再発予測スコアは、0.78以上と既存マーカーより高い精度を示した。現在前向きに本診断・再発スコアの有用性を検討中である。
尿路上皮癌(膀胱癌および腎盂・尿管癌)の診断は尿細胞診、画像診断、侵襲を伴う膀胱鏡、尿管鏡下生検によって行われているが、感度、特異度ともに十分な状態ではなく、低侵襲かつ有効なバイオマーカーもない。本研究で構築された診断および再発予測スコアの有用性が明らかになることで、は尿路上皮癌、特に進行状態で発見される腎盂・尿管癌の早期発見に寄与し、治療効果向上のみならず不必要な侵襲的検査の減少につながる可能性がある。尿路上皮癌の早期発見および再発予測による適切な治療介入が可能となり、より適切な尿路上皮癌のマネージメントを可能にする学術的にも社会的にも意義が高い研究である。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
International Journal of Urology
巻: 30 号: 8 ページ: 649-657
10.1111/iju.15192
Cancer Science
巻: 113 号: 7 ページ: 2434-2445
10.1111/cas.15395