研究課題/領域番号 |
21K16750
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
嘉島 相輝 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (50842952)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 腎細胞癌 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 腫瘍微小環境 / バイオマーカー / CD8 T細胞 / 制御性T細胞 / 腫瘍免疫 / 抗PD1抗体 / PD-1 / PD-L1 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに免疫チェックポイント阻害薬の治療効果予測バイオマーカーの探索が行われた結果、腫瘍遺伝子変異量が多い場合と、DNAミスマッチ修復機構のマイクロサテライト不安定性が存在する場合に治療が奏功する可能性が高いことが明らかとなった。一方で、腎細胞癌は、他癌種と比較して既知のバイオマーカー陽性の頻度が低い癌種として知られており、未知の機構の関与が示唆されている。そこで本研究では、臨床情報と腎細胞癌患者検体を用いて、腫瘍因子と宿主因子の双方に対する分子生物学的および免疫学的な解析を行い、既知のマーカー陰性患者におけるICI治療奏功を予測するための新規バイオマーカーを探索する。
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研究成果の概要 |
腎癌は、最もICIの治療効果が高い癌種の一つであるにも関わらず、他癌種と比較してTMBが少なく、DNAミスマッチ修復機構のMSI陽性頻度が低い癌種として知られ、既知のバイオマーカーの有用性は限定的である。これを克服するために、我々は治療前腫瘍組織およびICI治療前後の末梢血を解析し、疲弊CD8 T細胞の割合が治療前後で有意に変化し、奏功群ではICI治療2週間後の血漿effector cytokineが有意に上昇し、さらに非奏功群で腫瘍浸潤Foxp3+細胞割合が有意に高頻度であることを見出した。我々は、腎癌におけるICI治療効果を予測しうる早期バイオマーカーとして新規分子および細胞群を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎癌において、継時的な末梢血単核球細胞の表現型解析・血漿中のマルチプレックスタンパク解析・tissue microarrayによる免疫染色解析を同一患者由来のサンプルで網羅的に行った報告は過去に無く、本研究が初の試みである。我々はこの多面的アプローチにより、腎癌におけるICI治療効果を予測しうる早期バイオマーカーとして新規分子および細胞群を同定した。今後は本研究で同定したバイオマーカーを用いて前向きな検討で早期に免疫チェックポイント阻害薬の治療効果が予測できるかどうか評価することで、現状における腎癌のICI治療効果予測の課題を解決できる可能性を秘めている。
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