研究実績の概要 |
ヒストン脱メチル化酵素Lysine Specific Demethylase 1 (LSD1)阻害剤であるNCL1を用いて、Invitro実験を行った。まず、マウスの精原細胞株であるGC-1を用いてChIP-qPCRアッセイを行った。次に、GC-1、マウスのライディッヒ細胞株であるTM3、マウスのセルトリ細胞株であるTM4を用いて、WST assayで細胞増殖能を、flow cytometryでアポトーシスを評価した。 LSD1阻害剤はH3K4の脱メチル化を阻害し、がん増殖を抑制する。また、H3のメチル化は、Oct4によって抑制的に制御されることが知られている。そのため、ChIP-qPCRアッセイでは、H3K4me2抗体で免疫沈降を行い、Oct4のプロモーター領域のプライマーを作成し、qPCRを行うことで評価した。その結果、Oct4のメチル化状態が変化していた。 WST assay では、GC1,TM3,TM4の各細胞に、0, 5,10,20,30 uMの濃度のNCL1を投与し、WST8で評価した。結果、NCL1の濃度依存的にGC-1の増殖抑制をみとめたが、TM3、TM4ではみられなかった。 Flow cytometryでは、GC1,TM3,TM4の各細胞に、NCL1 30uMを投与し、7AAD, PE AnexinⅤで評価した。結果、GC1では、アポトーシスの増加をみとめたが、TM3、TM4ではみられなかった。
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