研究課題/領域番号 |
21K16756
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56030:泌尿器科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
野崎 哲史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50813432)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 精巣毒性 / エピゲノム / 精子形成 |
研究開始時の研究の概要 |
思春期・若年成人がん患者における男性の妊孕性温存は重要な課題である。近年、エピゲノム変化を介した新規治療薬が開発、臨床応用されつつある。しかし、これらの薬剤の造精機能への影響の評価は十分でなく、精巣毒性をモニターできるバイオマーカーに乏しいのが現状である。 これまで私たちは、LSD1阻害剤が造精障害を引き起こすことを病理組織学的に明らかにしてきた。しかし造精障害をモニターできるパラメーターがないため、既に不可逆的な変化が生じてしまっている危険性がある。そこで本研究では、新規がん治療薬による造精障害のメカニズムを解明し、精巣毒性を予測するバイオマーカーを確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
生体内への新規がん治療薬投与による精巣毒性の解析のため、ヒストン脱メチル化酵素Lysine Specific Demethylase 1 (LSD1)阻害剤であるNCL1を用いて、In vivo実験を行った。6週齢雄C57BL/6Jマウスに、精巣毒性を引き起こすBusulfanと、NCL1 1.0mg/kg、3.0 mg/kgを腹腔内投与した。ControlとしてDMSOを投与した(各群N = 15)。5週間後に精巣を摘出した。LSD1活性がどのように制御されているか調べるため、摘出した精巣検体を使用し、RNAシーケンスを行い、Ingenuity Pathway Analysis (IPA) で評価した。その結果、24のターゲット因子を同定し、その中で有意差のあった、Col1a2, Cdh1, Hoxb7, Scd1の4因子を抽出した。さらに、定量PCRでも評価し、NCL1の投与はLSD1の活性を抑制することを確認した。 つづいて、ヒト精巣におけるLSD1の発現を評価した。正常と男性不妊症のヒト精巣検体を用いて、LSD1の発現を免疫組織化学で評価した。正常精巣、不妊症精巣とも、セルトリ細胞と精祖細胞でLSD1の発現が高かった。精細胞では、精子形成に伴ってLSD1の発現は有意に減少した。不妊症精巣の一型であるMaturation arrestの精巣でも、精子形成の過程でLSD1の発現が減少していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
In vivo, In vitroの実験の結果、LSD1阻害剤であるNCL1の投与により精巣毒性を引き起こすことを見出したが、その影響が遷延するのか、回復するのかの評価が完了していないため。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに使用した手法を用い、精巣毒性からの回復実験を遂行する予定である。
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