研究課題/領域番号 |
21K16769
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中川 慧 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30650593)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | leiomyosarcoma / LMS / KIF4A / antisense / biomarker |
研究開始時の研究の概要 |
最終的にはKIF4Aを介したuLMSの治療方法の開発を目標とし、本研究期間の2年間はその機序解明と臨床応用に向けた薬剤のスクリーニングを目標とする。研究期間の前半1年目では、in vitroにおいてKIF4Aがどのようなシグナル伝達経路を介して腫瘍増殖抑制を行うのか、機序の解明を中心に行うと同時に、shRNAを用いたノックダウン細胞を作成し、in vivoでの増殖抑制抑制効果を確認する。同時に、臨床検体を用いて、臨床検体におけるKIF4Aの発現と予後や良性腫瘍との比較を行う。これらのデータに基づき、2年目以降で、既存の薬や新規に合成した核酸医薬を用いて、それらの有効性の検討を行う。
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研究成果の概要 |
難治性疾患である子宮平滑筋肉腫の治療ターゲットを開発するためにisobaric tags for relative and absolute quantitation(iTRAQ)を用いて同定したKIF4Aという分子の機能解析を進めた。in vitroで siRNA によるKIF4Aノックダウンは細胞増殖を抑制し、shRNAを用いたin vivoの検証でも腫瘍増殖を抑制した。機序については結果G2/M期細胞の割合がKIF4Aノックダウンで有意に増加しており、細胞周期の関与が示唆された。また1999-2021年までの臨床サンプルで20/26例(77%)にKIF4Aの発現が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
治療法の確立されていない子宮平滑筋肉腫に対して、網羅的タンパクのスクリーニングを行った結果からKIF4Aを同定し、その機能解析を行った。子宮平滑筋肉腫は標準療法が確立されておらず、その治療戦略の1つとしての新規標的分子が腫瘍増殖に与える影響をin vitro, in vivoで証明したとともに、細胞周期がその機能に関与している可能性を明らかにした。本研究は、治療法の確立されていない平滑筋肉腫の治療についてKIF4Aが新規ターゲットの一つとなり得る点を証明したところが学術、社会的意義と考える。
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