研究課題/領域番号 |
21K16774
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
古株 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80848490)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エストロゲン受容体 / エストロゲン関連受容体 / 子宮体癌 / 化学療法抵抗性 / miRNA / ERR / ER / ROS |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまでエストロゲン受容体(ER)に類似したエストロゲン関連受容体(ERR)が子宮体癌において腫瘍増殖、薬剤感受性、血管新生、浸潤、転移、アポトーシスを制御し、有用な治療標的であることを実証してきた。一方で、応答配列を共有するERRとERによるシグナルの相互干渉がもたらす腫瘍病態への影響や、ERRと治療抵抗性獲得の機序についてはほとんど知られておらず、ERRの機能解明は子宮体癌治療において重要な課題である。本研究ではERRとERのシグナル伝達ネットワークの動態解析とERRによる治療抵抗性制御の分子病態を解明し、子宮体癌における新たな治療法を提唱する。
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研究成果の概要 |
子宮体癌細胞株(HEC-1AとIshikawa)を用いて殺細胞性抗がん剤耐性細胞株(以下、抵抗性株) を作成し、非抵抗性株との比較からERRαと治療抵抗性に関与するABCB1、miR-9の関連を明らかにした。次にがん微小環境、特に低栄養環境に着目し評価を行った。低栄養環境下ではGLUT、xCT、MCT、VEGF、HIF-1α、ERRαが発現増加し、化学療法抵抗性を示した。ROSを制御するxCTは低栄養環境だけでなく、抵抗性株でも発現増加しており、xCT阻害はROS増加だけでなく化学療法感受性を改善させた。本研究結果は子宮体癌における治療抵抗性機序を解明し、新規治療標的を想起させうるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦の子宮体癌患者は急激に増加しているが、予後不良な進行・再発例における治療成績は十分とは言えない。本研究は子宮体癌の腫瘍学的特徴であるホルモン依存性疾患に着目し、エストロゲン伝達系制御を糸口とした治療抵抗性獲得機序の解明と新規治療法提唱を目的とする。 我々はエストロゲン関連受容体(ERRα)が化学療法抵抗性獲得に密接に関与することを示し、またがん微小環境における治療抵抗性獲得機序を解明した。本研究結果は子宮体癌における治療抵抗性機序を解明し、従来の治療法と異なった側面からのアプローチによる、新規治療標的を想起させうるものである。
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