研究課題/領域番号 |
21K16780
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
松尾 陽子 久留米大学, 医学部, 助教 (90368910)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 血友病保因者 / 女性血友病 / 包括的支援 / 血友病保因者の実態調査 / 出血傾向 / 頭蓋内出血 / 止血管理 / 包括的診療 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、血友病保因者の心身のケアを血友病専門医と他科、他施設が連携して行うシステムの構築である。具体的には、血友病保因者の実態を明らかにするために、保因者の出血傾向、凝固因子活性値、妊娠・出産状況、保因者告知に伴う心理的影響についての調査を行う。この調査結果をもとに、血友病保因者の問題を提起し、保因者の健康管理、止血管理を領域間で連携して行っていくための健康管理ノートを作成する。このノートを活用していく事で、保因者への啓発、また医療機関での継続した包括的医療を行うシステムの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
「血友病保因者の実態調査」において、回答を得た血友病A確定保因者の約4割が、凝固因子活性値が40%未満であり、血友病の診断基準を満たしていた。また、凝固因子活性値が高くても過多月経などの出血傾向を認める「症候性保因者」も少なからず存在した。 また、健常児に比べ、血友病患児の出生時の頭部出血の割合は高く、血友病専門医・新生児科医・産科医・麻酔科医が連携し、適切な周産期管理を行う事の重要性が再認識された。 これらの課題の解決の一旦として、保因者と医療者の円滑な情報共有、支援体制の構築のために「血友病保因者手帳」を作成し、患者会及び外来診療の中で配布を行い、啓発活動を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長い間、血友病は男性のみに発症する疾患と捉えられてきた。しかし、本調査研究の中で保因者となる女性の中にも軽症血友病患者レベルまで凝固因子活性値が低く、出血傾向に悩まされている保因者の女性が少なからず存在することが明らかになった。特に過多月経や分娩時・産後出血など女性特有の出血症状を認める保因者は少なからず存在し、男性の血友病とは違うケアも必要である。また、分娩時に頭部出血を認めた血友病患児の割合は非血友病患児より高く、適切な周産期管理を行うことが求められる。 血友病患者や保因者だけでなく医療者も「血友病は男性だけの疾患ではない」事を認識し、適切に対応することが肝要である。
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