研究課題/領域番号 |
21K16800
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
山本 阿紀子 東京医科大学, 医学部, 講師 (50531224)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 卵巣癌 / CRISPR / MYC / 癌遺伝子 / プロモーター / プロモーター解析 |
研究開始時の研究の概要 |
癌遺伝子MYCは約40%の卵巣癌で高増幅し、腫瘍の発生や進展に関与することが予測されるが、その発現を阻害する治療薬はいまだない。 MYCの発現には、様々な機構が複雑に働いていることが報告されているが、プロモーター領域の制御については完全には解明されていない。そこで、本研究ではCRISPR libraryの技術を卵巣癌の細胞株に適応し、MYCのプロモーター領域に作用し転写活性を制御する分子のスクリーニングを行い、同定された分子がMYCの発現を阻害するかの検証を行う。この研究の成果はMYCの発現調節機構の解明だけでなく、卵巣癌に対する新たな阻害薬研究に寄与することが期待される。
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研究成果の概要 |
先行研究で独自に開発したMYCの転写活性を評価するレポーターシステムを卵巣がん細胞OVSAHOに応用し、MYCの転写活性を上げる分子についてCRISPR activation libraryを用い網羅的に解析した。細胞の回収や解析方法に改変を加え、精度を改善した。次世代シーケンスの結果から、既存のデータベースを使用してMYC 転写活性の制御に寄与すると思われる 14 個の候補分子を同定し、CRISPR systemを使用して候補分子の gRNA を細胞に導入した。デュアル ルシフェラーゼ アッセイを行うと、7 つの分子が統計的に有意に MYC の転写活性を上げることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵巣癌は予後不良であり新たな治療法の確立が急務である。近年、癌の遺伝子解析とその結果に基づき治療方針を決定するがんゲノム医療の必要性が高まっている。癌遺伝子の一つであるMYCは、卵巣癌では他の癌腫に比し高頻度で増幅していることを鑑みると、卵巣癌の発生や進展、再発に重要な役割を担っていると予測され、新たな治療ターゲットとなり得るだろうと想定される。今回の研究によりMYCの転写活性を調節する分子が同定できたことは、卵巣癌におけるMYC発現制御システムの解明の一助となると予想され、さらにこの結果を応用しMYCをターゲットとした阻害薬の開発が進めば卵巣癌の新たな治療戦略として位置づけられると期待する。
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