研究課題/領域番号 |
21K16808
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
浦田 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (20572598)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 老化細胞 / 多嚢胞性卵巣症候群 / 細胞老化 / 顆粒膜細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の排卵障害の病態は十分には解明されておらず、特異的な治療法はない。老化細胞がSASP因子を介して慢性炎症や線維化を引き起こすことにより、細胞老化が様々な病態に関与していることは知られているが、卵巣における関与はほとんど報告されていない。本研究は、①PCOS卵巣における細胞老化とSASP因子、②顆粒膜細胞における高アンドロゲンによる細胞老化誘導、③細胞老化作用薬のPCOSへの有効性を明らかにすることを目的とする。本研究によって、PCOSに対する特異的な、ホルモン非依存的な新規不妊治療の発展につながることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の病態を解明するために、ヒト卵巣、ヒト胞状卵胞顆粒膜細胞(GC)、PCOSモデルマウスを用いて検討した。 1.ヒトPCOS患者およびPCOSモデルマウスの卵巣のGCにおいて、老化細胞が増えていることを示した。2.ヒト顆粒膜細胞において、in vitroテストステロン刺激で老化細胞が増えることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PCOSの卵胞発育不全について、老化細胞作用薬といったホルモン作動薬以外の薬の可能性が示された。 現状では、PCOSの卵胞発育障害の治療には一般的な排卵誘発剤を用いるが、PCOSは排卵誘発によって、血栓症といった重篤な症状を含む卵巣過剰刺激症候群になるリスクが高く、排卵誘発剤の使用は注意を要する。本研究によって、細胞老化を排除するsenolytic薬やSASP因子を阻害するsenomorphic薬といった、ホルモン非依存的なPCOS新規治療薬の有効性が示唆され、PCOS特異的な、より安全な不妊治療の可能性が示された。
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