研究課題/領域番号 |
21K16822
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
吉浜 智子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (30626461)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 卵巣癌 / オルガノイド / トランスクリプトーム / オミクス / オラパリブ / PARP阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣癌に対するPoly(ADP-ribose) polymerase (PARP)阻害薬の維持療法は、様々な臨床試験の結果よりQuality of life (QOL)を落とすことがなく、患者の予後を改善することが示されている。しかし臨床においては、1年間以上投与継続できた症例でも次第にPAPR阻害薬に抵抗性となることを多く経験する。本研究の目的はPARP阻害薬耐性獲得の根幹にかかわる機構を明らかにし、耐性機構獲得を防ぐ薬剤開発を行い、卵巣癌患者の予後をQOLを保ったまま改善させることである。
|
研究実績の概要 |
卵巣癌オルガノイドバンクの検体を用いて、ex vivoにおいてPARP阻害薬に対する抵抗性獲得機構を明らかにし、抵抗性獲得を防ぐ薬剤を開発すること、BRCA1/2 変異卵巣癌(高異型度漿液性癌)オルガノイドを用いてPARP阻害薬投与後のMinimal residual disease(MRD)におけるゲノム、トランスクリプトーム、エピゲ ノムの変化を解析し、抵抗性獲得の主要な分子機構を明らかにすること、抵抗性獲得を防ぐ低分子化合物および核酸医薬を開発することを目的に2023年度も研究 を行った。 前年度までに同定した遺伝子Aに関して、CRISPRノックアウトを行った高異型度漿液性癌オルガノイドを作成した。遺伝子Aのノックアウトによりオラパリブの感受性に変化があるかみたところ、明らかなオラパリブの感受性の変化は認めなかった。そこで、オルガノイドを用いた高スループット薬剤スクリーニングを行う方針とした。高スループット薬剤スクリーニングではエリムセルチブ、プロテアソーム阻害薬、ジナシクリブが併用効果の高い薬剤として抽出された。その中でATR阻害薬であるエリムセルチブがオラパリブと併用効果の最も高い薬剤であることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同定した遺伝子Aのノックアウトにより想定していたオラパリブ感受性の違いが検出できなかった。高スループット薬剤スクリーニングを行う方針とし、同定できたため論文を作成し近日中に投稿予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
遺伝子Aのノックアウトによりオラパリブの感受性の変化は認めなかったものの、オラパリブ長期投与により発現は上昇するため、その役割をトランスクリプトーム解析等で明らかにしていく。
|